補助金ナビ:創業補助金申請WEB講座(平成25年度補正)

第6回 認定支援機関の選び方

創業補助金の申請および事業実施については、認定支援機関の支援を受ける必要があります。

先ず、認定支援機関とは何かを確認しましょう。

●認定支援機関とは・・・・

 中小企業の経営支援をする為に的確な能力と実績を有する者を、経済産業大臣が認定する制度により認定を受けた個人あるいは法人です。平成26年4月1日現在、全国で21,174機関が認定を受けており、ほとんどが税理士および金融機関の支店です。
 税務・会計の専門家である税理士は、活動実績が3年以上あれば原則として認定を受けることができ、弁護士、会計士も同様です。それ以外の士業や経営コンサルタント等は、同等の能力と実績を有することを証明することが要求されるため、認定数は非常に少ないのが実状です。
 その為、金融機関以外の認定支援機関のほとんどが税理士となっています。

●創業補助金における認定支援機関の位置づけ

1)認定支援機関の支援が、補助対象事業の要件です
  創業補助金では、事業計画の策定から実行まで、認定支援機関の支援を受けることが要件です。
補助金申請時に提出する「確認書」に認定支援機関が支援内容を記入し、記名、押印をして提出します。
創業補助金の募集要項には認定支援機関による支援内容について、以下の通り詳細に記述されています。
  「支援内容は、事業計画策定、補助事業の適正な実施を含む実施期間中の支援、補助事業終了後のフォローアップを必須とします。具体的な支援内容は、財務・金融、生産管理、人事・労務、販路開拓などの個別課題に対する助言、補助事業の適正な実施及び事業の成果に係る確認などを指します。」
  このように、創業補助金の補助事業においては認定支援機関による支援がとても重要視されています。

2)認定支援機関による支援内容が審査の対象となります
 募集要項の12ベージに選考についての記載があり「審査の着眼点」の1項目に「認定支援機関による支援の確実性」があげられ、次のように書かれています
「認定支援機関による事業計画の策定支援が適切にされること。補助事業の適正な実施を含む実施期間中の支援、補助事業終了後のフォローアップが十分期待できること。 」
 
 このことは「認定支援機関による支援の確実性」が審査項目の一つであることを示しており、審査の対象になるのが、認定支援機関が記述する確認書です。認定支援機関は、創業者と共に事業計画をブラッシュアップする過程で、創業者の強み、弱みや、事業計画のポイント等を把握します。これを踏まえて、補助事業期間中、および補助事業期間終了後に、認定支援機関として、どのような支援をするのかを具体的に記述します。
 創業者弱みや、事業計画の弱い部分を認定支援機関が支援することが、確認書に具体的に記述されていれることが求められる訳です。ですから、確認書の内容は、創業者の事業内容に応じて具体的な記述である方が審査に有利と考えられます。
 認定支援機関の中には、誰に対しても通用する一般的な文章の確認書を予め用意しておき、申請書の名前と住所だけを記入して発行しているところもあるようですが、そのような確認書では「認定支援機関による支援の確実性」を審査官が読み取ることは難しいのてはないのでしょうか。

●認定支援機関の選び方

創業補助金の申請および補助事業の実施では、認定支援機関による支援が必須とされている訳ですので、せっかくですからこの認定支援機関を上手く活用して事業の成功確率を高めましょう。
 
その為には、ご自身の事業内容を正しく理解し、事業計画作成から、事業の実施、補助事業期間終了後のフォローまて、的確に支援を得られる信頼できる認定支援機関を選定して下さい。
 
また、申請前の文書チェックを厳格にして貰えることも非常に重要です。例えば「応募者の概要」では、たった1箇所の記入ミスでも応募者要件を満たさないと判断されるリスクがあります。どんなに素晴らしい事業計画でも、応募者の要件を満たさない申請書は、内容の審査がされずに門前払いされてしまいます。

認定支援機関の選び方のポイントは以下の通りです。
1)事業内容の正しく理解し、事業実施について様々な観点からの助言、支援が得られる能力を有していること
2)事業計画作成段階から支援を得られること
3)事業内容および創業者の強み、弱みに応じた具体的な事業支援を約束し、そのことを確認書に記述すること
4)創業者支援の実績があり創業補助金についての知識が豊富なこと
5)提出前の文書チェックを厳格に実施できること
 以上に加えて、次の点も、満たせば更に良いでしょう。
6)補助金事業の実務経験があり、補助事業の実施および関連する事項に具体的な支援が、得られること

全ての要件を満たす認定支援機関を見つけけるのはなかなか難しいですが、補助金の申請だけではなく、事業の成功に向けて長く付き合える気の合う支援者を選びたいものですね。

筆者:認定支援機関 オフィスマツナガ行政書士事務所 所長・行政書士 松永敏明


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