2020年実施ものづくり補助金(一般型、特別枠/通常枠)4次締切の採択結果分析
令和元年度補正予算・令和二年度補正予算(2020年実施)「ものづくり補助金」(一般型:4次締切)の補助事業者採択結果が発表されました。
全体としての採択率(応募総数に対する採択者の割合)は、31.2%と、三次締切の38.1%より、更に低下しました。過去のものづくり補助金の中でも、非常に低い採択率です。
2020年実施のものづくり補助金(一般型)の応募・採択状況をまとめると下表の通りとなります。
また、これらのデータの一部をグラフ化してみました。
これらのデータを基に、注目される箇所について記載します。
以下の記載内容は、特に断りのない限り、一次締切 ⇒ 二次締切 ⇒ 三次締切 ⇒ 四次締切 の順に記載しています。
○公募期間
21日 ⇒ 50日 ⇒ 73日 ⇒ 137日と、公募期間は長くなっています。
○応募総数
2,287 ⇒ 5,721 ⇒ 6,923 ⇒ 10,041 と、公募期間の長さに応じて増えています。
○採択者総数が
1,429 ⇒ 3,267 ⇒ 2,637 ⇒ 3,132 と、四次は三次に対して、約18%増えました。
○全体としての採択率
62.5% ⇒ 57.1% ⇒ 38.1% ⇒ 31.2% と 減少が続いていています。
四次締切では、特別枠(令和2年度補正予算)は最後となりました。予算枠の制約から採択者数が抑えざるを得なかったものと、考えられます。
五次締切からの特別枠(低感染リスク型ビジネス枠)は、新しい予算枠(令和2年度第三次補正予算)となりますので、この点の制約には変化があると思われます。
○特別枠の採択(こちらの数字は、二次締切 ⇒ 三次締切 ⇒ 四次締切 の順に記載)
特別枠での採択者数は、 1,773 ⇒ 1,076 ⇒ 1,748 と、三次締切から、62%増加
同採択率は、 53.4% ⇒ 23.6% ⇒ 24.6% と、三次締切とほぼ横ばい
一方で、
特別枠応募で通常枠での採択者数は、488 ⇒ 1,072 ⇒ 856 と、三次締切から、20%減少
同採択率は、 14.7% ⇒ 23.5% ⇒ 12.1%と、三次締切から、半減
しました。
通常枠の採択率も、18.0%と非常に低かったことから、こちらも予算の制約(こちらは令和元年度補正予算、3年間で3万件の採択を想定)により、このような結果となったことと考えられます。
○ものづくり補助金(2020年実施)業種別の応募件数と採択率
ものづくり補助金ポータルサイトの「データポータル」からいくつか紹介します。
・一次~四次締切まで合わせて、申請者の半分以上が製造業です。
・また製造業の採択率は、平均に対して高い採択率となっています。
○ものづくり補助金(2020年実施)申請タイミングと採択率の関係
申請者の多くが締切日当日に申請していますが、1日前の申請者と比べると採択率が低い結果となっています。
これは、ギリギリの申請は資料の添付洩れなどミスが発生し易いことや、間に合わずに、内容が中途半端なままで申請してしまうことも多いものと想定されます。申請は計画的に行いたいものです。
○ものづくり補助金(2020年実施)加点と採択率の関係
加点数と採択率の関係は以下の通りです。
加点の効果はこれまでの巷間での噂以上ですが、熱心に加点を獲得される事業者様は事業計画のブラッシュアップも丁寧に行っているとも考えられます。
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本記事は、公開情報に基づき、筆者の個人的意見を交えて記述しています。筆者および運営会社は当記事内容の完全性を保証するものではありません。公募申請等に際しては、必ず事務局発表の最新情報をご確認くださいますようにお願いします。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
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