「事業再構築補助金」各枠の要件等確認 第3回「最低賃金枠」
予算額および補助上限金額の大きさから人気の「事業再構築補助金」!
この「事業再構築補助金」各枠の要件と特徴について、枠毎に確認してゆきます。
第3回は「最低賃金枠」について解説します。
事業再構築補助金の概要説明資料に「『最低賃金枠』は、『回復・再生応援枠』に比べて採択率において優遇されます。」とあります。「最低賃金枠」は補助率、補助上限額は、「回復・再生応援枠」と同じですので、要件に合致する事業者様は、ぜひ最低賃金枠をご活用ください。
最低賃金枠について、通常枠と異なる箇所は以下の通りです。
〇概要
最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい中小企業等の事業再構築を支援。
〇補助対象要件(以下の内容には各枠共通要件も含む)
下記①~⑥の全てを満たすこと。
①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】
②2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、
コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
(※)売上高に代えて付加価値額を用いることも可能。詳細については公募要領を参照してください。
③以下の(ア)又は(イ)のいずれかの要件を満たすこと【最賃売上高等減少要件】
(ア)2020年4月以降のいずれかの月の売上高が対前年又は前々年の同月比で30%以上減少していること
(イ)(ア)を満たさない場合には、2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が対前年又は前々年の同月比で45%以上減少していること
④2020年10月から2021年6月までの間で、3か月以上最低賃金+30円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること【最低賃金要件】
⑤事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。【認定支援機関要件】
⑥補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、
又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】
〇補助金額
【従業員数 5人以下】 100万円 ~ 500万円
【従業員数 6~20人】 100万円 ~ 1,000万円
【従業員数21人以上】 100万円 ~ 1,500万円
〇補助率
中小企業者等 3/4
中堅企業等 2/3
最低賃金枠で不採択となった場合は、通常枠で再審査されます。
〇最低賃金枠固有の提出書類
最低賃金枠応募申請時に、各枠共通書類以外に必要とされる書類は以下の通りです。
・2020年4月以降のいずれかの月の売上高が、対前年又は前々年同月比で30%以上減少していること
(又は、2020年4月以降のいずれかの月の付加価値額が、対前年又は前々年同月比で45%以上減少していること)を示す書類
・事業場内最低賃金を示す書類
最低賃金確認書
賃金台帳の写し(最低賃金要件の対象となる 3か月分、最低賃金+ 30円以内の従業員全てがわかる 賃金台帳(又はそれに相当する書類))
〇最低賃金枠の特徴
・上記【最低賃金要件】および【最賃売上高等減少要件】を満たす必要がある
・『回復・再生応援枠』に比べて採択率において優遇される
・補助率は通常枠より大きい(回復・再生応援枠と同じ)
・補助上限金額は、通常枠より小さい(回復・再生応援枠と同じ)
・最低賃金枠で不採択をなった場合、特に手続き不要で通常枠で再審査となる
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掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。また、筆者の個人的な見解も含まれています。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明
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