この記事(2025年実施 ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金)のポイント
・ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金は、2025年もあるのか?
⇒ ともに実施の可能性は高い
・予算規模は?
⇒ 今年と同等あるいは、多少縮小か
・通年公募に戻るか?
⇒ 通年公募には戻らないでしょう。
・公募開始、回数は?
⇒ 2025年2月~4月頃に1,2回
YouTube | 補助金ナビ 2025年に補助金を獲得する為の準備講座「1.どうなる!? 2025年実施 ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金」
○ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金のこれまでの動向
2024年の経済産業省関連の主な補助金は一部を除き公募が終了しています。ここ数年間、「通年公募」として約3ヵ月の間隔で公募が行われてきた「ものづくり補助金」は、2024年は3月に公募終了、「小規模事業者持続化補助金」も5月に公募終了となっています。
令和になってから切れ目なく実施されてきたこれらの補助金が、突然に年度早々に公募終了となってしまったことにビックリされている方もいるかと思いますが、実はこれが本来の姿なのです。
ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の予算は「補正予算」で確保されています。(一部の型が「当初予算」で確保されたこともありましたが、予算額の多くは「補正予算」として計上されています。)
「補正予算」は「当初予算」では対応できない緊急性が高い事項への対応、経済政策の強化、災害復旧などが必要な際に組成されるものです。緊急対策として実施されるため、予算成立後の早期実施と早期の事業終了(補助金の支払まで)が求められます。
但し、実態としては、補正予算は毎年策定され、その中の柱として中小企業向けの経済対策が含まれ、「ものづくり補助金」および「小規模事業者持続化補助金」はその代表的なものとなっています。
この2つの補助金は10年以上前から毎年実施されており、過去7年間の日程、予算規模、公募回数は以下の通りです。
(*1)この年度よりIT導入補助金等を含む「中小企業生産性革命推進事業」として予算計上
(*2)基金化により3年間分の予算を計上
(*3)コロナ感染症拡大のための経済対策として早期に実施開始
(*4)コロナ感染症拡大のための経済対策として予算が追加され、感染症対策の枠も実施された。
(*5)令和元年度補正で計上した基金に追加して実施
(*6)単年度の実施
2018年の公募実施までは、補正予算の主旨に則り単年度の予算として実施されたため、公募回数が年に1回あるいは2回で公募時期も春頃に限定されていました。
2019年秋、それまで単年度毎に予算を確保して実施してきた経済産業省関連の補助金(特に「ものづくり補助金」)に対して、政府内から成果目標・実績ともに不明確であり単なるバラマキではないかとの指摘があり、「生産性向上に意欲的な中小企業への支援に重点化」することなりました。この結果、2020年実施の補助金から以下の改訂がなされました。
・要件や加点に「賃上げ(ものづくり補助金では必須)」や「国の施策に積極的に取り組むこと」が加わった。この結果、加点の数が増加。
・ものづくり補助金では、DX、GX、グローバル展開、小規模事業者持続化補助金ではインボイス対応といった、国の施策に則った申請枠等も用意された。
・基金化により3年の間、通年で公募(ほぼ3ヵ月間隔で常時公募)、事業実施期間を長期化し、事業者の利便性が向上した。
・更に、コロナ感染症拡大のための経済対策として予算が追加され、感染症対策の枠も実施された。
しかしながら、コロナ感染症対策とも相まって、他の基金も含め莫大な予算が蓄積され、事業成果が見えづらいこともあり、「税金の無駄」と(特に事業再構築事業が)批判の的になりました。これを受けて、令和5年度補正予算(2024年実施)から単年度予算に戻り、応募締切回の減少、事業期間の短期間化、審査の厳格化につながりました。
令和5年度補正予算(2024年実施)の「中小企業生産性推進事業(ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金、事業承継・引継ぎ補助金)」の予算は、前年度補正予算の承認時に翌年度も同額を確保することが決まっていたことから、2024年も前年と同額の予算で実施されました。しかし、類似案件/代行業者の排除、過去の補助金採択者についてのフォロー強化、国の施策に積極的に取り組む事業者への加点強化等の制度改訂が行われました。
また「中小企業生産性革命推進事業」として予算が集約された当初は、「ものづくり補助金」への予算配分比率が非常に高かったものの、中小企業のDX化対応を促進する観点から徐々にIT導入補助金への配分比率が高まっているものとみられます。(筆者私見)
○2025年実施 ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金に向けた準備を始めよう!
「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」は中小企業支援の柱であり、有力な経済団体が事務局となり実施していることから、すぐに完全に廃止されることは無いと思われます。万一、名称の変更あったとしても、「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」と同様の目的の補助金が新設されると考えるのが妥当でしょう。
しかしながら、防衛予算、少子化対策、高齢化による社会保険費用などで予算が増加している状況においては、予算規模は横ばいあるいは縮小傾向と考えた方が良いでしょう。
また、通年公募ではなくなった今、応募の機会は減少しています。審査が厳しくなり、採択率も低下傾向のため、早期の情報収集と周到な準備が極めて重要です。
補正予算の成立はその時点の政治的情勢や政治日程に大きく依存します。補正予算審議の為の臨時国会が召集される場合は秋頃から年末にかけて成立、通常国会で審議される場合は、1月下旬~2月上旬に成立ということになります。
国会で補正予算案を審議する前に政府が閣議決定します。閣議決定した際に予算案の内容が公表されますが、通例、その時点で補助金の主な要件、枠、補助率、補助上限額等も公表されます。従って、この閣議決定の時点から補助金応募の準備をすることが可能です。
また、補助金の要件は毎年改訂されはするものの、多くの部分が前年度の内容を踏襲していますので、閣議決定前からの準備も可能です。
○2025年実施 ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金の想定
現時点では、以下の前提をおいて準備を始めてみてはいかがでしょうか。
・「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」は、2025年度も実施される。
・補正予算の閣議決定は、2024年10月~12月に実施され、その時点で補助金の概要が明らかになる。
(但し、前年度の要件を前提として準備は可能)
・単年度の予算のため、通年公募とはならない。
・公募は2025年2月~4月頃、公募回数は1,2回
2) ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、過去数年間の採択結果分析
2025年対応「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」準備講座
掲載した記事の内容には、筆者の個人的な見解が多く含まれており、内容について正確性を保証するものではありません。
また、当該記事内容につきましては、筆者および補助金ナビ運営事業者は一切免責とさせていただきます。
補助金のご検討や応募等に際しては、公的機関などからの正式情報をご確認の上で、ご自身の責任、ご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
YouTube | 補助金ナビ 2025年に補助金を獲得する為の準備講座「1.どうなる!? 2025年実施 ものづくり補助金/小規模事業者持続化補助金」
リンク
|
リンク
|