2025/4/15に公募が開始(5/30締切)されました省力化補助金(一般型)第2回公募について、公募要領等から第1回公募からの主な変更点を抽出しました。応募を検討されている事業者様はご確認ください。

変更箇所が何点かありますが、応募申請時の事業計画作成に直接かかわると考えられる箇所には「★」を、その他の箇所には「○」を付けています。

★注意事項(P.2)
以下の文章のうち、
赤字箇所が追記されました。

 本事業での申請をご検討いただく前に、中小企業省力化投資補助事業(カタログ注文型)の製品カタログを必ず確認してください。製品カタログに掲載されている製品は、すでに国が省力化効果を認めた製品であり、カタログ注文型については本事業と比べて、申請が迅速かつ簡易となっております。一般型については、申請する製品を用いてどのような省力化効果が見込めるのか、省力化効果により付加価値の向上がどの程度見込めるのか、事業状況に見合った投資であるのか、個別の課題に対して作業工程や事業所の構造・レイアウト等に合わせて、機能、構造、性能等が一品一様で設計・開発された機械装置・システムの導入をする事業計画となっているか、革新性がどれだけあるのか等を総合的に、公平かつ厳正な審査をすることとなり、カタログ注文型よりも審査項目が多いことに留意してください。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 省力化投資補助金(カタログ注文型)との対比において「オーダーメイド設備」の導入が当補助金の要件であることを明確にしています。
 第1回からこの点について要件が変更された訳ではないですが、事務局への取り合わせ等を通じて改めて周知の必要性があるとの判断により追記されたものと考えられます。導入設備の選定において十分に留意の上で、申請用事業計画書にも明記する必要がありますので、ご注意ください。

○2-3補助事業実施期間(P.11)
 以下が追記されました。

※ 採択決定日から速やかに交付申請を行って下さい。事務局が定める期日より交付申請が遅れ、事務局からの催促に応じない場合には、採択を取り消す場合があります。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 多くの補助金で、採択から交付決定日までの期間に非常に長い日数を要していることがあります。
交付申請から決定までの事務局とのやりとりに時間がかかるケースもありますが、採択された事業者からの交付申請が遅いことも一つの要因になっています。

 採択をされた場合には一安心してのんびりせずに、事業者様が主体となり速やかに交付申請手続きを進めるようにしましょう。

★1人当たり給与支給総額又は給与支給総額の増加(P.12)

「1人当たり給与支給総額又は給与支給総額の増加」についての記載が変更されています。最初の段落について以下の赤字部分が修正され、また、他の箇所についてもいくつか文章表現が修正されています。

事業計画期間終了時点において、1人当たり給与支給総額※1の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間(2019年度を基準とし、2020年度~2024年度の5年間を指す。)の年平均成長率(以下「基準率」という。)以上、又は給与支給総額※2の年平均成長率を+2.0%以上増加させる事業計画を策定し、採択を受けた場合は自身が設定した目標値を達成することが要件となります。

但し、1人当たり給与支給総額又は給与支給総額の増加目標が未達の場合の補助金返還義務についての記載には変更はありません。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 内容的には、これまでの記載内容と同様と読み取れますが、従来の記載では「事業者自身が設定した1人当たり給与支給総額又は給与支給総額の増加」の達成が努力目標と思われてしまう可能性があったことから、最初の段落に「自身が設定した目標値を達成することが要件」とのより強い表現に変更したものと考えられます。
 尚、返還義務が生じるのは、これまで通り、事業計画期間終了時点において、1人当たり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、又は給与支給総額の年平均成長率を2.0%以上増加させる目標が達成できていない場合です。この場合、返還額は自身の目標に対する達成率に依って決まります

3-1-2大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例(P.17)

「基本要件に加えた追加要件」に記載のあった以下の箇所が削除されています。

※ 追加要件を満たさない場合、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用しない取扱いとなります。

また、「基本要件の 返還要件に加えた追加の返還要件」に以下の赤字箇所が追記されました。

(1) 事業計画期間終了時点において、給与支給総額の年平均成長率+2.0%以上増加目標に加え、更に年平均成長率+4.0%以上(合計で年平均成長率+6.0%以上)の増加目標が達成できていない場合。なお、基本要件である1人当たり給与支給総額と給与支給総額の双方の増加目標を達成していない場合は、2-5基本要件未達の場合の補助金返還義務及び免除要件に基づいた返還も求めます。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 要件を見たさない場合は特例が適用されないのは当然ですので、削除されたものと思われます。後者については、増加目標の達成時期を明確にするための記載と思われます。

★「3-2-1補助対象経費」の外注費(P.18)

対象経費の概要を説明する表で、外注費についての記載が赤字の通り修正されました。

第1回:新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

第2回:専用設備の設計等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費

 ⇒ 補助金ナビコメント

 第1回の公募要領でも「3-2-2補助対象経費の詳細区分」の表では第2回と同じ記載となっていましたので、元々存在していた記載ミスの修正のようです。補助対象経費の該当非該当に係ることですので、このようなミスは避けていただきたいものです。

○「3-2-3補助対象経費全般にわたる留意事項」(P.21)

発注や見積もりに関する留意事項として、以下の記載が追加されました。

※ 第三者として客観的な視点から支援を行う必要があることから、事業計画の作成支援や確認を受けた認定経営革新等支援機関や金融機関等への発注、相見積もりは認められません。なお、発注先の確認にあたっては、「みなし同一法人」の基準を適用します(事業計画の確認を受けた認定経営革新等支援機関のみなし同一法人にあたる事業者への発注、相見積もりも認められません。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 他の補助金において、支援者が発注や相見積に係るケースが存在しているようです。これは発注価格の客観性をゆがめる行為となりますので、従来から問題となっていましたが明確に禁止されました。

○4-1補助事業者の義務(P.23)

 財産処分に関する記載について赤字の箇所が修正されました。

財産処分する場合、残存簿価相当額又は時価(譲渡額)のいずれか高い額により、当該処分財産に係る補助金額を限度に納付しなければなりません。

また、以下の但し書きが削除されました。

ただし、補助事業者が、試作品の開発の成果を活用して実施する事業に使用するために、処分制限財産(設備に限ります)を生産に転用(財産の所有者の変更を伴わない目的外使用)する場合には、中小機構の事前承認を得ることにより転用による納付義務が免除されます。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 前者については、財産処分時の納付額を明確にしたものです。削除された「ただし書き」はいわゆる「生産転用」の既定ですが、当該補助金の目的(省力化設備の導入)にそぐわない内容であったことから、削除されたものを思われます。省力化による生産性向上を目的とする補助金ですので、生産行為は目的外使用に該当せず、導入後すぐに生産に使用して問題ないと解釈されます。

政策面の審査項目(P.28)

 政策面の審査項目から以下の記載が削除されました。

■異なるサービスを提供する事業者が共通のプラットフォームを構築してサービスを提供するような場合など、単独では解決が難しい課題について複数の事業者が連携して取組むことにより、高い生産性向上が期待できるか。異なる強みを持つ複数の企業等(大学等を含む)が共同で製品開発を行うなど、経済的波及効果が期待できるか。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 第1回公募においては、このようにものづくり補助金における政策面の審査項目と同様に記載がありましたが、第2回公募では削除されました。当補助金の目的を鑑み、申請事業にここまで求める必要性は薄いということと思われます。

★審査項目(P.28)

 「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」に関して、審査項目とされていた「(5)大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性 」全体が削除されました。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 第1回公募時では「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」を申請する場合、「大幅な賃上げに取り組むための事業計画書」の提出が求めれていましたが、第2回公募ではこれが無くなりました。但し、事業計画書(その1、その2)に大幅な賃上げの実現可能性について説得力のある記載が必要です。また「大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例」を申請した場合、追加要件および追加の返還要件はこれまで通りありますので、ご注意ください。

★(5)加点項目(P.28)

賃上げ加点に関して以下の記載が追加されました。

 ※ 賃上げ加点を受ける申請者において「2-4基本要件」の給与支給総額の増加の要件は、自身で設定した加点要件以上の目標値とします。

※ 効果報告において未達の場合は「2-5基本要件未達の場合の補助金返還義務及び免除要件」に基づいた返還を求めます。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 第1回公募では、賃上げ加点を申請した場合の自身で設定した給与支給総額の増加の目標値が未達成の場合は補助金の返還とはならずに、以降の補助金応募申請時の大幅減点のみでしたが、第2回公募では、補助金の返還対象となるとされています。

★口頭審査における「法人代表者等」について(P.32)

 口頭審査の企業側の対応者について、記載が厳格になりました。第1回公募では、「応募時の労働者名簿に記載されている「担当者」もしくは「経理担当者」(勤務実態がない者を除く。)」も可能とされていましたが、「応募時に申請している「担当者」もしくは「経理担当者」(勤務実態がない者を除く。)」とされました。

 ⇒ 補助金ナビコメント

 労働者名簿を提出しないケースが多いですので、元々の記入ミスだと思われますが、限定されることになりますので、注意が必要です。

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また、記事内容には筆者の個人的な見解が多く含まれています。

補助金の応募等に際しては、公募要領等をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明