省力化投資補助金(一般型)第5回公募についての解説を、全3回に分けてお届けします。
YouTube「補助金ナビチャンネル」で配信中の解説動画と連動した内容となっておりますので、動画と合わせてご覧いただくことで、より理解が深まります。

第1回のテーマは「この補助金は自社に相応しいのか!?」です。
第5回公募から導入された重要な変更点と、この補助金の本質について解説します。

YouTube「補助金ナビチャンネル」の動画解説はこちらから

はじめに:補助金審査の本質は「試験」である

まず皆様にお伝えしたいのは、「補助金は『思い』や『熱意』だけで採択されるものではない」ということです。

補助金の審査はいわば「試験」です。公募要領の審査項目という試験問題に対し、自社事業の現状と将来を見据えた上で、各設問の回答としてその内容を的確に回答した事業者だけが点数を得て合格(採択)を勝ち取ることができます。
また、単に「機械を買うためのお金」として捉えるのではなく、「人手不足を解決し、経営を高付加価値型へ変革するための投資」であるという視点を持つことが、採択への第一歩です。

「カタログ型」と「一般型」どちらを選ぶべきか?

省力化投資補助金には、大きく分けて「カタログ型」と「一般型」の2種類があります。

カタログ型(簡易申請)

国が認めた既製品リスト(カタログ)から選んで導入する形式です。手続きは比較的簡易ですが、補助上限額は低めに設定されています。
※市販薬で治る症状ならこちらを選びます。

一般型(オーダーメイド)

今回の解説の対象はこちらです。
ICT、AI、ロボット等のデジタル技術を活用し、自社の業務に合わせて専用設計(オーダーメイド)された設備やシステムを導入します。補助上限額は最大8,000万円(特例1億円)と極めて大きいのが特徴です。
※専門的な処方箋が必要な、根深い経営課題にはこちらが必要です。

「特殊なレイアウトに合わせたシステム構築が必要」「複数設備の組み合わせで最適化したい」といった、一品一様の課題解決を求める企業こそ、一般型に挑戦すべきです。

第5回公募からの「激変」ポイント

第5回公募からは、従来のルールが大きく変更され、要件が厳格化されました。ここが今回の最大のポイントです。

重要変更点①:賃上げ要件の「一本化」と「厳格化」

「1人当たり給与支給総額」年平均3.5%以上の増加

従来あった「給与支給総額」要件が撤廃されました。
これにより、従業員数を増やして総額を上げることで賃上げ率を薄める(総額逃れ)ことが不可能になりました。
従業員一人ひとりの処遇を確実に改善する「本気度」が、絶対条件として求められます。

重要変更点②:従業員ゼロ事業者の「排除」

応募申請の時点で、給与支給対象となる従業員が0名の場合は申請不可となりました。
一人社長や役員のみの会社は対象外です。本補助金の目的が「従業員の賃上げ」へと純化した結果と言えます。

重要変更点③:補助率のシンプル化

1,500万円を超える部分の補助率引き下げルールが撤廃されました。
全額に対して原則1/2(小規模事業者等は2/3)が適用されます。
これにより、数千万円〜1億円規模の大型投資を検討している事業者にとっては、以前よりも有利な条件となっています。

補助上限額(従業員規模別)

従業員規模と賃上げ目標の達成度合いにより、以下のように上限額が設定されています。

従業員数 通常枠 上限 大幅賃上げ特例 上限
5人以下 750万円 1,000万円
6人〜20人 1,500万円 2,000万円
21人〜50人 3,000万円 4,000万円
51人〜100人 5,000万円 6,500万円
101人以上 8,000万円 1億円

第1回のまとめ:自社は一般型に挑むべきか?

今回の公募は、以下の問いに「YES」と答えられる経営者様にとって、またとないチャンスです。

  • 高い賃上げ目標(3.5%)を完遂する覚悟があるか?
  • 現場に合わせた「一品一様」の抜本的な効率化を求めているか?
  • 自社を本気で「筋肉質な企業体質」へ変革したいか?

しかし、公募スケジュールは非常にタイトです。公募開始は2025年12月19日、申請締切は2026年2月下旬(予定)となっており、実質的な準備期間は2ヶ月弱しかありません。

では、この短い期間でどのようにして採択される事業計画を作るべきなのでしょうか?

次回予告

第2回「道を誤らない補助金獲得作戦 〜採択を勝ち取る設計図の作り方〜」

いきなり申請書を書き始めてはいけません。不採択にならないための正しい「設計図」の描き方を解説します。次回の記事もぜひご覧ください。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明