補助金ナビ/オフィスマツナガ行政書士事務所による共催講座「新事業進出補助金 解説」シリーズ。

全3回にわたり配信しています動画のエッセンスを凝縮し、制度の概要から採択される事業計画の書き方、審査対策までを1つの記事にまとめました。「新市場」への挑戦を目指す事業者の皆様はご活用ください。

尚、この動画は、新事業進出補助金についてあまり詳しくご存知の無い方を対象とした入門編です。新事業進出補助金第3回公募の詳細な内容や最新情報については、補助金ナビの他の記事も併せてごご覧ください。

この記事のポイント

  • 最大9,000万円!制度の概要とスケジュール
  • 審査の核心:「新事業進出」3つの定義とNG事例
  • 知らないと危険:賃上げ義務と「返還リスク」
  • 採択への道:計画書作成の論理と口頭審査対策

1. 制度の全体像:最大9,000万円の大型支援

「新事業進出補助金」は、既存事業とは異なる「新市場」かつ「高付加価値事業」への進出を支援する制度です。

補助金額とスケジュール

従業員数 通常枠 上限 賃上げ特例 上限
20人以下 2,500万円 3,000万円
21〜50人 4,000万円 5,000万円
51〜100人 5,500万円 7,000万円
101人以上 7,000万円 9,000万円
【第3回公募 締切】令和8年 3月26日(水)18:00 厳守
※電子申請には「GビズIDプライム」が必須です。取得には時間がかかるため、未取得の方はお急ぎください。

▼ 制度概要と「新事業」の定義(Vol.1) ▼

2. 攻めの戦略:「新事業進出」3つの必須要件

本補助金の対象となるには、単に新しいことを始めるだけでなく、以下の3つの要件をすべて満たす「攻めの計画」が必要です。

① 製品等の新規性

「自社にとって」未経験の製品・サービスであること。

OK例:既存技術を応用した新製品開発
NG例:既存製品のサイズ違い、単なる増産

② 市場の新規性

既存とは異なる「顧客層・市場」を狙うこと。

OK例:BtoBからBtoCへ、国内から海外へ
NG例:既存顧客への代替販売(カニバリゼーション)

③ 売上高要件

事業の柱となる規模感。

3~5年後に新事業売上が全社の10%以上(または付加価値額の15%以上)となる計画。

3. 守りの戦略:賃上げ義務と「返還リスク」

この補助金の最大の特徴は、賃上げ目標などが「必達義務」である点です。未達の場合、補助金の返還を求められるペナルティがあります。

遵守すべき3つの基本目標(未達時は返還あり)

  • 付加価値額の向上:年率平均 4.0% 以上の成長
  • 給与支給総額の拡大:年率平均 2.5% 以上の成長
  • 事業場内最低賃金の底上げ:地域別最低賃金 +30円 以上の水準を常に維持

※「賃上げ特例」を利用して上限額を引き上げる場合は、さらに高い目標値(給与総額+3.5%など)が設定され、未達時は全額返還となる厳しいリスクがあるため、慎重な判断が必要です。

▼ 戦略選択と賃上げ・返還リスク(Vol.2) ▼

4. 計画書作成のポイントと審査対策

採択を勝ち取る計画書には、論理的なストーリーと整合性の取れた数値計画が不可欠です。

論理構築の3ステップ

  1. SWOT分析:自社の「強み」と市場の「機会」を掛け合わせ、なぜ今この事業をやるのかを定義する。
  2. 実現可能性:設備導入から販売開始までの詳細なプロセスと、担当者を明確にする。
  3. 収益計画:「単価×数量」の積算根拠を示し、付加価値額要件(年率4%成長)をクリアする数値を組み立てる。

最終関門「口頭審査」にご注意

書類審査通過後に行われるオンライン口頭審査(約15分)では、外部コンサルタントの同席や代理回答が禁止されています。申請者自身が、事業計画の内容を自分の言葉で説明できるよう準備しておくことが、採択の最後の鍵となります。

▼ 採択される計画書の書き方と口頭審査(Vol.3 完結編) ▼

「新市場×新製品」への挑戦は、貴社の次の成長ステージへの駆動力となります。
本シリーズ解説を参考に、説得力のある事業計画を完成させてください。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明