事業再構築補助金 第1回公募採択率分析と第2回以降考察

 
事業再構築補助金については、第1回公募締切前(2021年4月末まで)は、採択予定数が当初計画よりも高い数が示唆されるなど、高い採択率が期待されていましたが、締切が過ぎてから

 ・応募数が予想以上に多かった

 ・顧客規模の積算根拠が甘く、厳しく見れば8割は落ちる

等の情報が流れ、採択発表前にやや暗雲が立ち込めていました。

採択発表の結果は、緊急事態宣言特別枠が55.3%、通常枠が、30.1%でした。

通常枠には、緊急事態宣言特別枠に採択をさえれなかった応募と、緊急事態宣言の影響による売上高減少の加点を持って申請された応募も含まれていますので、加点なく通常枠にのみ申請された事業者様の採択率は更に低かった(25%前後か?)ものと思われます。

事業再構築補助金 第1回公募 採択発表はこちらをご覧ください。

・事業再構築補助金 第1回公募 緊急事態宣言特別枠 採択発表

・事業再構築補助金 第1回公募(通常枠、卒業枠、グローバルV字回復枠)採択発表

採択率が低かった原因は以下の通りと推定されます。

 ○応募件数が想定より多かった。(前述の通り)

 ○申請要件を満たしたものの割合が低かった。(申請要件を満たしたものの割合:86.5%)

過去の補助金でこのような数値が発表されたことは無かった(筆者が知る限り)と思いますので、当補助金においては申請要件を満たさない申請(書類不備等が)が極めて多かったと考えられます。

 ○採択件数が少なかった。

当初計画では、全体で55000件採択と発表され、その後、緊急事態宣言特別枠を設けたことで「66000件を予定」との情報もありました。これは、公募1回あたり、11000件~13200件に相当します。
しかしながら、今回の採択件数は、8016件でした。

報道(日刊工業新聞)によれば、今回補助金額で、2200億円相当が採択されたとのこととですので、採択金額を絞った訳で無さそうです。

平均の補助金申請金額が予想を大きく上回ったことが影響してるようです。

当初、1兆1500億円の予算に対し、想定採択件数、66000件で単純平均すると約1740万円ですが、今回の平均補助金額は約2745万円と、約1.6倍となります。

また、事業局公表の資料によれば、補助金額6千万円の申請が非常に多かったことが判ります。

事業再構築補助金 採択結果

以上の2つの要因が重なり、採択率が大幅に下がった模様です。

第2回以降は、どのように考えられるでしょうか。

 ○第1回で不採択となった多くの事業者による再応募は相当数ある。

 ○特に、「書類不備等」を見直して出し直すことで、実質的な審査対象となる応募も多い

 ○緊急事態宣言特別枠は、今回が最後であり、前回比較的採択率が高かったことから、応募数は増えるのではないか。

以上より、緊急事態宣言特別枠、通常枠のいずれも、応募件数は増えるのではないでしょうか。

今回も予算枠を単純に、5分の1だけ使用するとなれば、前回以上に厳しい採択率となることが想定されますが、場合によっては第2回公募分の予算枠を増やすということも考えられますが、報道されています行政レビューでの厳しい評価もあり、緩めるような対応は無さそうです

いずれにしても、第1回公募以上の厳しい審査となることを想定して事業計画のブラッシュアップを重ねてていただくことをお願い致します

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筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明