令和5年度補正予算案に記載されている中小企業生産性革命推進事業の概要から、2024年・令和6年実施予定の「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「事業承継・引継ぎ補助金」について、2023年との比較による変更点を中心に見てゆきます。

今年は、補助金毎のパンフレットがまだ公表されていませんので、具体的な要件等はわかりませんが、公表されている範囲でご紹介します。

文中の表は、経済産業省作成「経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)」から抜粋、引用しています。

○小規模事業者持続化補助金
 大きな変更は無いようです。

 枠: 通常枠、賃金引上げ枠、卒業枠、後継者支援枠、創業枠の5つ

 各枠毎の補助金上限額: 通常枠は50万円、他の枠は200万円、インボイス特例該当事業者は一律50万円上乗せ

 補助率: 原則として2/3、賃金引上げ枠の赤字事業者は3/4

 いずれも、2023年度実施の小規模事業者持続化補助金から変更は見られません。詳細な要件や加点等に変更の可能性がありますが、大枠はほぼ2023年度と同様です。

令和5年度補正予算 2024年実施 小規模事業者持続化補助金

○IT導入補助金補助金
 一部の枠の名称および類型の変更、追加があります。変更・追加対象の枠・類型については、要件等が2023年度とは変わってくるものと思われますので注意が必要です。 

 申請類型については、「通常枠」、「複数社連携IT導入枠」、「セキュリティ対策推進枠」の各枠は2023年度と同様ですが、従来のデジタル化基盤導入枠は「インボイス枠」となり、その中での類型として「インボイス対応類型」(従来のデジタル化基盤導入類型)に加えて「電子取引類型」が追加されました。

 これまでのデジタル化基盤導入枠は「インボイス対応に活用可能」とされていましたが、「インボイス枠」となったことで、導入するITツールのインボイス対応が必須となり、かつ、導入ツールを活用してインボイスへの対応を行うなど、導入成果要件がより厳密になる可能性があります。

 各枠毎の補助金上限、補助率は以下の通りです。

令和5年度補正予算 2024年実施 IT導入補助金

○事業承継・引継ぎ補助金
 こちらは大きな変更は無いようです。経済産業省関係令和5年度補正予算の事業概要(PR資料)を見る限りは、20223年度からの変更点は見当たりません。 


令和5年度補正予算 2024年実施 事業承継・引継ぎ補助金 

尚、事業承継・引継ぎ補助金だけは、中小企業庁のページに、改訂版として「令和5年度補正予算(案)」と記載されたパンフレットが公開されています。 

令和5年度補正予算 2024年実施 事業承継・引継ぎ補助金 

補助金ナビでは、2024年度実施の経済産業省実施の主な補助金については、情報を入手次第、「補助金ニュース」「予算・公募前情報」に記載してまいりますので、ご確認ください。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明