令和5年度補正予算により2024年に実施されるものづくり補助金は、大きく変わります。

補助上限額の大きな「省力化(オーダーメイド)枠」の新設、DX枠の補助上限額増額など、期待が膨らむ一方で、とても気になる点が以下の2つです。

・通年公募の廃止
 2020年から実施されてきた3ヵ月毎の通年公募が廃止され、2024年は、2回の公募とされています。この2回の公募がいつ開始するのか、現時点では全くわかりません。

・事業事業期間の短縮化
 事業終了(実績報告)は、2024年12月10日となっています。これまでは、多くの枠では採択日から1年間とされていましたので、大幅な短縮となります。

これらにより、「いつ公募が開始されるのか」、「締切はいつなのか」、「事業実施期間は十分に確保できるのか」が、わかりませんので、事業者様にとって難しい判断が求められます。

参考までに、通年公募となる前のものづくり補助金に関わる、公募、締切、事業終了日等の日程をまとめると以下の通りです。

【2024年度・令和6年度】令和5年度補正予算 ものづくり補助金 実施スケジュール

 予算成立の10日後に公募開始した例もあれば1ヵ月以上後のこともあります。また、公募開始から数日後に初回締切としたこともあれば2,3ヵ月後のこともあり、各日付の関係に法則性がある訳ではありません。また、この日程に表れている以外の、年毎の状況(ものづくり補助金のスキームの変化、準備状況など)などもあり、2024年がどのような日程になるのか推測は難しいことがお分かりになると思います。

2024年実施のものづくり補助金への応募申請をお考えの方は、以下の注意が必要です。 

2024年実施ものづくり補助金の応募申請をお考えの方が注意すること

・事前(早期)の準備
  通年公募では無くなり、いつ公募が開始されるのか、締切までの期間はどの位あるのか、現時点ではわかりません。そこで、まずは、事業計画の原案作成に早急に着手されることをお奨めします。

  新しい枠の設定や、補助上限額の変化はありますが、事業計画書に求められる内容は大きな変化はないと思います。そこで、まずは基本となる事業計画書の骨格を早期に作成することをお奨めします。

  これが手元にあれば、公募が開始されたら速やかに新たな公募要領にそって見直した上で、完成させることが可能となります。

 ・短期間で実施可能な事業計画の策定
  事業終了(実績報告)は、2024年12月10日とのことですので、事業実施期間は最長でも8ヵ月、場合によっては、6ヵ月あるいはそれよりも短期間となることも考えられます。

  従って、事業実施に時間がかかるような計画(発注から納品まで時間のかかる機械装置の導入や、自社での準備に多くの時間を要するようなもの)は実現が困難な場合もあります。事業計画作成にあたっては、この点も考慮をする必要があります。

いずれもしても、2024年実施のものづくり補助金は、従来の通年公募とは全く異なるものとなることに注意が必要です。

ところで、2023年度実施予定とされている、令和4年度補正予算による最終回の第17次公募はどうなるのでしょうか?

これは筆者の全くの私見ですが、
・今回、令和5年度補正予算によるものづくり補助金のパンフレットが公開された時点で、令和4年度補正予算による最終回の第17次公募についての扱いが明示されなかったこと

・令和4年度補正予算によるものづくり補助金と、令和5年度補正予算によるものづくり補助金の事業終了(実績報告)日は、どちらも同じ、2024年12月10日であること

以上より、

令和4年度補正予算による最終回については実施されずに、令和5年度補正予算により実施されるものづくり補助金に吸収される可能性が高いのではないでしょうか。

その場合は、令和5年度補正予算によるものづくり補助金の第1回公募が、早めに実施されるのではないかと考えています。

補助金ナビでは、ものづくり補助金申請書の書き方オンラインセミナーを提供しています。現在、オンラインセミナーをご購入いただいた方には、公募要領の改訂に合わせて、2024年12月末締切分まで無償アップデートを提供いたします。

掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。
補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明