ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、過去数年間の採択結果分析ポイント

・ものづくり補助金の採択率
⇒ 過去3年間は50%~60%台の採択率だったが、2024年公募から30%台に下がった

・ものづくり補助金の加点と採択率の関係 
⇒ 加点が多いほど採択率が高い

・小規模事業者持続化補助金の採択率
⇒ ものづくり補助金と同様に、過去3年間は50%~60%台の採択率だったが、2024年公募から、40%台、30%台に下がった

・採択率が低い中でも採択を得るためには
⇒ 申請要件を明確に満たす事業計画と、審査項目に合致した計画書の記載を徹底

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ものづくり補助金の結果分析

ものづくり補助金の2020年の締切以降の採択率の推移や応募実績は、ものづくり補助金公式サイトのデータポータルで公表されています。

・枠別応募者数と採択率の推移

ものづくり補助金の結果分析

ここに記載されていない、直近2回の応募、採択状況は以下の通りです。
・17次:省力化(オーダーメイド)枠のみ公募
 申請数:629、採択数:185、採択率: 29.4%
・18次
 省力化(オーダーメイド)枠:申請数:599、採択数:204、採択率: 34.1%
 製品・サービス高付加価値化枠:申請数:5015、採択数:1827、採択率: 36.4%
 グローバル枠:申請数:163、採択数:39、採択率: 23.9%
 合計:申請数:5777、採択数:2070、採択率: 35.8%

7次(2021年5月公募)~15次(2023年3月公募)は、50%~60%台の採択率でしたが、2024年の公募(17次、18次)では、採択率が大きく下がっており、審査が厳しくなっていることがうかがえます。

ものづくり補助金では、申請者の約75%が何らかの形で支援者の支援を受けている(公式サイト「データポータル」による)ことから考えると、その上で、この30%台という採択率はかなり厳しい採択率と考えられます。
尚、これらを含む、過去のものづくり補助金の枠別応募者数、同採択者数、採択率は、補助金ナビの「過去の主要補助金応募採択実績」(https://hojokin-navi.com/omona_hojokin_jisseki/)で公開しています。

・加点の数と採択率

ものづくり補助金公式サイトのデータポータルでは、加点の数と採択率の相関も示しています。

2025年に補助金を獲得する為の準備講座 ~ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、過去数年間の採択結果分析 ~

このグラフでは、加点が0個~4個では、加点数が多い程採択率が高いことを示しています。

採択に向けては、事業計画書の内容が重要であることは当然ですが、加点も効果があることを示しています。もっとも、加点を多く獲得して申請されている応募者は、周到な準備をしていることも確かですので、事業計画書の評価も高い傾向があるのかもしれません。

小規模事業者持続化補助金(通常型/一般枠)の応募者数、採択者数、採択率の推移

  公募開始 締切 採択 応募件数 採択件数 採択数
2020/3/10 2020/3/31 2020/5/22 8,044件 7,308件 90.9%
6/5 8/7 19,154件 12,478件 65.1%
10/2 2021/1/22 13,642件 7,040件 51.6%
2021/2/5 4/28 16,126件 7,128件 44.2%
6/4 8/31 12,738件 6,869件 53.9%
10/1 12/22 9,914件 6,846件 69.1%
7 2022/2/4 2022/4/27 9,339件 6,517件 69.8%
2022/3/22 6/3 8/30 11,279件 7,098件 62.9%
9/20 11/25 11,467件 7,344件 64.0%
10 12/9 2023/2/6 9,844件 6,248件 63.5%
11 2023/2/20 4/27 11,030件 6,798件 58.9%
12 2023/3/3 6/1 8/23 13,373件 7,438件 55.6%
13 9/7 11/27 15,308件 8,729件 57.0%
14 9/12 12/12 2024/3/4 13,597件 8,497件 62.5%
15 2024/1/16 2024/3/14 6/5 13,336件 5,580件 41.8%
16 5/8 5/27 8/8 7,371件 2,741件 32.2%

小規模事業者持続化補助金の採択率は、2020年以降、特定の公募回を除き、概ね50%~60%で推移してきましたが、2024年に締め切られた公募回では、40%台、30%台となっており、こちらも審査が厳しくなっていることをうかがわせます。

特に、第16次締切では、応募件数が大きく減少したにもかかわらず、採択率が30%台に下がっています。当補助金では申請前に商工会あるいは商工会議所にて、専門家により経営計画書および補助事業計画書の事前確認が必須となっていますので、その上でのこの採択率は「非常に低い」と考えています。

採択率30%台の補助金で採択得るためにはどうすればよいのか?

当たり前のことをきちんと行うことに尽きます。ポイントは以下の通りです。

・補助金の申請要件を明確に満たす事業計画であること

・「審査項目」に的確に応え、申請要件を十分に満たす事業計画であることを訴求すること

・「事業計画書に記載すべき事項」を洩れなく記載すること

・可能な限り加点を獲得すること

では、具体的にどのようにすれば良いのかは、次の記事以降に書いて行きます。

3) 2025年ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金公募に向けた準備スケジュールなど

2025年対応「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」準備講座

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明

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