この記事は、2025年も「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」が実施されることを前提として、その準備について解説するものです。

前回の記事で書いた通り、準備開始から申請締め切りまでの期間を以下の3つに分けて進めましょう。
・閣議決定まで(事前準備期間)
・閣議決定から公募開始まで(準備期間)
・公募開始から申請受付締切1週間前まで(申請完了期間)

筆者のこれまでの補助金申請支援の経験では、ものづくり補助金の公募要領が発表される公募開始前から申請準備をされている方はとても少ないです。ですが、公募開始前でも準備はできます。公募開始前だからこそ、時間をかけてじっくりと事業計画を練り上げることが可能です。公募開始前に準備することで、事業計画をブラッシュアップする期間を十分に確保することができ、採択の確率を高めることができます。

この記事では、閣議決定までの「事前準備期間」に実施すべきことについて記載してゆきます。

 

この記事(ものづくり補助金2025年公募に向けた準備1)のポイント

〇2025年実施「ものづくり補助金」の事前準備期間(補正予算の閣議決定まで)
 ⇒ 2024年9月~同年12月 と考えよう。

〇事前準備期間に行うこと
・ものづくり補助金の事業計画に求められる内容の理解
・自社および事業環境の整理分析
・新商品、新サービスの概要
・導入設備
・補助事業期間中(採択・交付決定~事業終了)の実施計画概要
・取得等まで時間がかかる加点の申請準備

YouTube | 補助金ナビ 2025年に補助金を獲得する為の準備講座「4.ものづくり補助金2025年公募に向けた準備1(事前準備期間)」

○事前準備期間(補正予算の閣議決定まで:2024/9~12)に行う具体的な内容
まずは「ものづくり補助金の事業計画に求められる内容」の理解を深めましょう。

ものづくり補助金の申請用事業計画書は、「A4サイズで計10ページ以内での作成」とされています。
この量の中に、「具体的かつ詳細な記述」、「要件に合致すること」、「審査項目に的確に応える」ことが求められています。

最初から10ページの文章を書くと、
 ・「記載が求められている事項」が書かれているのか、
 ・審査項目に的確に応えているのか、
 ・重複している箇所は無いか

といったことの検証が難しく、後から整理をすることが大変となり、文章化を急いだことが、かえってマイナスにすらなってしまいます。

そこで、文章で書く前に、記載すべき要素(項目)を列挙し、関連を検証し、矛盾点や過不足を解消しておくことが大切です。このために、「ものづくり補助金に求められる事業計画」の骨子(概要)を作成することをお奨めしています。

それにより、
・補助金の要件に合致しているか、
・審査項目に応える計画になっているか等を、

骨子の段階で確認した上で、事業計画内容をブラッシュアップし、申請要件および審査項目との適合性を高めることが可能となります。その上で、次の段階の文章化につなげる訳です。

では、具体的にどうするのか?

〇ものづくり補助金事業計画に求められる事業計画の内容

ものづくり補助金事業計画に求められる事業計画の内容を絵に描くと以下の通りです。

【製品・サービス高付加価値枠】の場合

ものづくり補助金の事業計画に求められる内容1

【省力化(オーダーメイド枠)】の場合

ものづくり補助金の事業計画に求められる内容2

この絵について、以下に簡単に説明します。詳しくは、YOUTUBEの動画解説をご覧ください。

・真ん中の「補助事業計画」が、補助事業期間に実施する設備投資や、設備導入を事業化に活用するための準備の部分です。要するに補助金を何につかいどのように活かすのかを考えます。
・左側は、自社及び事業環境の分析です。
・右側は、真ん中の補助事業計画を実施した結果、実現する姿と、対象とする市場・ユーザーです。
・下半分のうちの上段は、当社への寄与
・最下段は、社外・社会への影響・貢献です。

以上がものづくり補助金の事業計画に求められるものの概要ですので、これに応える事業計画を検討する必要があります。

〇準備期間中に検討する内容

事業計画概要を考えるポイントは上の図に記載されている内容になりますが、ポイントを書き出すと以下の通りです。(製品・サービス高付加価値枠の場合)

・自社の経営理念、事業コンセプト、事業環境など
・自社および事業環境の整理分析、課題
・将来ビジョン
・各種分析(SWOT、競合、市場)
・分析結果を踏まえた新製品/新サービスの概要、必要な投資設備など
・補助事業期間中(採択後交付決定~事業終了:最長6ヵ月程度)の実施内容とスケジュール
・事業実施による売上/利益への寄与、賃上げ計画
・自社の既存事業との整合性、自社の強みを活かした競合優位性、独自性等、訴求点の明確化
・実施体制、財務状況など

となります。

事前準備期間には、これらを概要レベルで箇条書き等により書き出した上で、それらの間の整合性を確認します。また、可能でしたら第三者に説明するなどをして、客観的な目で評価を受け、それを踏まえて修正等を行うことが必要です。

さらには、
・取得等まで時間がかかる加点(経営革新計画等)の申請準備
も行っておきましょう。

YouTube | 補助金ナビ 2025年に補助金を獲得する為の準備講座「4.ものづくり補助金2025年公募に向けた準備1(事前準備期間)」

5)ものづくり補助金2025年公募に向けた準備2(閣議決定~締切まで)

2025年対応「ものづくり補助金」、「小規模事業者持続化補助金」準備講座

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明