2024年11月29日、政府は令和6年度補正予算案を閣議決定しました。令和6年度補正予算は、現在開催中の臨時国会で審議され、12月21日の会期末までに成立の見込です。
尚、現時点ではあくまでも政府が閣議決定した「補正予算案」です。少数与党の現状から考えますと、国会審議の過程で修正の可能性もありますので、その点はご注意ください。
一般会計からの支出は13.9兆円、内訳は以下の通りです。
○令和6年度補正予算案の概要
1.日本経済・地方経済の成長 57,505億円
~全ての世代の現在・将来の賃金・所得を増やす~
2.物価高の克服 33,897億円
~誰一人取り残されない成長型経済への移行に道筋をつける~
補正予算案のうち「1.日本経済・地方経済の成長 57,505億円」に経済産業省関連の予算が含まれています。
経済産業省から、公表された資料の概要は以下の通りです。
経済産業省関係令和6年度補正予算案の概要
- 日本経済・地方経済の成長 【2.8 兆円】(うち、GX:3,400 億円)
(1)賃上げ環境の整備【5,114 億円】
(2)新たな地方創生施策の展開【736 億円】
(3)投資立国の実現【2 兆 2,614 億円】※再掲含む - 物価高の克服 【1.6 兆円程度】(うち、GX:2,000 億円)
- 国土強靱化、防災・減災など国民の安全・安心を確保【1,800 億円程度】
公表内容は、以下の資料をご覧ください。
これらの施策のうち「1. 日本経済・地方経済の成長」の「(1)賃上げ環境の整備【5,114 億円】」に、多くの中堅・中小事業者が活用可能と思われる補助金施策が記載されています。
中堅・中小事業者が活用可能な主な補助金施策
① 中小企業生産性革命推進事業【3,400億円】
物価高や最低賃金引上げへの対応、中小企業における持続的な賃上げの実現のためには、稼ぐ力を強化することが必要。
そこで、革新的な製品・サービスの開発やデジタル化、販路開拓、事業承継・M&A を加速するため、ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金によって、中小企業・小規模事業者の生産性向上を実現する。
また、売上高100億円を目指す成長志向の中小企業・小規模事業者の成長投資をハード・ソフトの両面で支援する。
⇒(補助金ナビコメント)
ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金、事業承継・M&A補助金は、昨年とほぼ同規模(前年度は3,600億円)で実施。
単年度の予算のため、2025年に実施される、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金は、2024年と同様に、春頃に1回だけの応募機会となる可能性が高い。「売上高100億円を目指す成長企業を支援」とあるため、ものづくり補助金の枠・類型に変化の可能性もあり、また、更なる賃上げの促進が求められるものと考えられる。
② 中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金【1,400億円、国庫債務負担行為を含め 3,000億円規模】
地域の雇用を支える中堅・中小企業が、足元の人手不足等の課題に対応し、成長していくことを目指して行う大規模投資等を促進することで、地方においても持続的な賃上げを実現する。
⇒(補助金ナビコメント)
大規模投資に対する補助は昨年(1,000億円)より増額し、人手不足解消のための省力化投資、規模拡大、賃上げ等に積極的な中堅・中小企業支援の方向性が明確になっている。
尚、例年、補正予算の閣議決定後、速やかに、経済産業省から各施策毎の内容を解説した資料が公開されていますが、現時点では公開されていません。
⇒(補助金ナビコメント)
少数与党となったことから、現時点では、政府が閣議決定した補正予算案がそのまま成立するかどうかはわからない為、公表が遅れる可能性があります。
補助金ナビでは、令和6年度補正予算で実施される中堅・中小事業者様向け補助金に関し、情報等が得られ次第、その内容、スケジュール等について記載をしてまいります。
掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。
当該記事内容につきましては、筆者および補助金ナビ運営事業者は一切免責とさせていただきます。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
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