補正予算の成立により、2025年実施の補助金内容が徐々に明らかになってきています。その情報の中から、2025年実施の「ものづくり補助金」について予想します。但し、あくまでも筆者の私見ですので、応募のご判断については、あくまでも事業者様の責任においてお願い致します。

〇予算規模
 中小企業生産性革命推進事業全体の予算(3400億円)はほぼ前年(3600億円)と同規模の予算となったものの、同じ予算の中に「中小企業成長加速化補助金」が新設されたことから、特にものづくり補助金は、大きな減少が予想されます。
 尚、2024年の17次、18次締切で設定された「省力化(オーダーメイド)枠」は、省力化投資補助金の一般型に変更となり、「製品・サービス高付加価値化枠」および「グローバル枠」のみとなりますので、この2つの枠について考えれば昨年よりやや減少程度と考えても良いのかもしれません。

〇実施スケジュール/公募回数
 2024年は、「製品・サービス高付加価値化枠」」」および「グローバル枠」が実施されたのは、18次締切1回のみでした。令和6年度補正予算で計上された中小企業生産性革命推進事業予算は、昨年同様に単年度内での予算執行の為、スケジュールは昨年とほぼ同等となることが想定されます。

【2024年18次締切実施日程】
 ・公募開始:2024年 1月 31日
 ・電子申請受付:2024年 3月11日
 ・申請締切:2024年 3月27日 
 ・採択発表:2024年6月25日
 ・事業実施期限:2024年12月10日

  2025年もほぼ同様の日程が想定されます。3月前半の締切の可能性もありますので、早めの準備を心がけましょう。
 
 公募回数は、1回のみと考えた方が良いでしょう。もし2回目の締切があったとしても、事業実施期間が極めて短く、事業実施に懸念が生じます。
 

〇採択件数/採択率
 予算規模から、2024年実施の18次締切と同等かやや減少の採択件数が想定されます。

【2024年18次締切採択結果】
 ・製品・サービス高付加価値化枠: 応募件数:5,015件、採択件数:1,827件、採択率:36.4%
 ・グローバル枠:応募件数:163件、採択件数:39件、採択率:23.9%

 2025年の採択率も、2024年と同様に30%台と、過去のものづくり補助金に比べて、厳しい採択率が想定されます。
 事業計画のブラッシュアップにより採択確率を高めることに努めましょう。

 

〇注意事項
 ・製品・サービス高付加価値化枠の事業要件は、2024年実施のものづくり補助金と同様に「革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化」だけです。過去のものづくりの対象事業要件に記載のあった「生産プロセス・サービス提供方法の改善」という表現はありませんので、生産方法やサービス提供方法の改善による付加価値増加では、要件を見たさないと考えられます。

・2024年実施のものづくり補助金第18次締切では、2024年6月25日 に採択が発表され、同年12月10日までに事業終了する必要がありました。採択から5か月半しかなく、交付決定までの期間も考慮すると、ほとんどの事業者が4か月以下の事業実施期間となったものと考えられます。2025年も同様の可能性が高いと思われますので、短期間で実施可能な計画の策定が必要となります。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明