中小企業成長加速化補助金(1次公募)の採択発表がありました。
2次公募については現時点では未定とのことです。
売上高100億円企業の育成は政府の中小企業施策の柱の1つですので、実施されことが期待されるところですが、一方で、当補助金は、令和6年度補正予算のうち予算額3400億円の中小企業生産性革命事業の一部として実施されていますので、予算枠の制約を大きく受けることに注意が必要です。
採択発表と同時に、「中小企業成長加速化補助金(1次公募)における各種指標」も公表されていますので、こちらの内容も含めて、考えてみましょう。
中小企業成長加速化補助金 応募採択実績
○1次公募(2025年6月9日締切)
・有効応募件数:1,270件、採択件数:207件、採択率:約16.3%
○補助金ナビコメント
中小企業成長加速化補助金より一回り大きなサイズの補助金の「中堅・中小成長投資補助金」(投資規模:10億円以上、補助上限額50億円)2025年4月28日締切分の採択率が約50.7%と大幅に上昇したことから、当補助金の採択率も高いのではと、期待をされた方も多かったと思いますが、こちらは非常に厳しい採択率となりました。
尚、「中堅・中小成長投資補助金」も、実施初年度の2024年度の2回の締切分はどちらも14%台でしたので、妥当な採択率であるとも言えます。また、中小企業成長加速化補助金は、投資規模が1億円以上、補助上限額5億円と、中小企業にとってチャレンジし易いレンジにあるため、想定よりも応募が多かったとも考えられます。
中小企業成長加速化補助金(1次公募)における各種指標
「中小企業成長加速化補助金(1次公募)における各種指標」が公表されました。
https://growth-100-oku.smrj.go.jp/documents/info/info250919/1st_index.pdf
この資料では、以下の数値について、採択者と申請全体の平均値と中央値が公表されています。
・売上高成長率(年平均上昇率)
・付加価値額増加率(年平均上昇率)
・売上高投資比率
・給与増加率(1人当たり給与支給総額の増加率、給与支給総額増加率・・・いずれも年平均上昇率)
・財務健全性(ローカルベンチマークの得点)
・最新決算期の売上高
・補助事業に要する経費
○注目すべき点は以下の通りです。
・売上高成長率、付加価値額増加率、売上高投資比率、給与増加率のいずれもが、採択者の値は申請全体数値を大きく上回っている。
・最新決算期の売上高は、逆に、採択者の値は申請全体数値を大きく下回っている。
・補助事業に要する経費の採択者数値から、採択者の補助金申請額の平均値は4億円を上回っていると考えられ、1次公募の採択者の補助金申請額合計は、1000億円を超えることが推定される。
・応募者のほぼ全て(96.1%)が、「金融機関による確認書」を提出している。
2025/9/7投稿の補助金ナビ記事「中小企業向け補助金の採択率動向」にも記載しましたが、中小企業成長加速化補助金も含めて、中小企業生産性革命推進事業の各補助金の今後の実施および採択率はかなり厳しいことになることが想定されます。
今後は、今秋の臨時国会に上程が想定される令和7年度補正予算に期待をしたいところですが、政局や各政党の動きに大きく影響を受けることになります。
補助金ナビでは、主に中小企業様向けに経済産業省などの実施する補助金についてご案内しています。
ニュース
掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。
当該記事内容につきましては、筆者および補助金ナビ運営事業者は一切免責とさせていただきます。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
リンク
|
リンク
|