【2次公募開始】中小企業成長加速化補助金、1次公募からの変更点と採択への鍵を徹底解説
中小企業庁は2025年12月26日、「中小企業成長加速化補助金」の第2次公募要領を公表しました。本補助金は、将来の売上高100億円を目指す中堅・中小企業の「大胆な投資」を最大5億円まで支援する、極めて注目度の高い施策です。
しかし、今回の2次公募では、1次公募と比較して賃上げ要件の厳格化や申請ルールの変更が複数確認されています。本記事では、補助金ナビの視点で2次公募の概要と、1次公募からの重要な変更点を整理して解説します。
1. 中小企業成長加速化補助金とは?(制度の概要)
この補助金は、地域経済にインパクトを与える「売上高100億円超」を目指す企業を創出することを目的としています。単なる設備の更新ではなく、抜本的な生産性向上や新事業展開を伴う投資が対象です。
- ■補助上限額:5億円(補助率 1/2)
- ■補助対象:売上高10億円以上100億円未満の中小企業
- ■投資要件:建物・機械・ソフト等の投資額が1億円以上(税抜)
- ■賃上げ要件:5年程度の事業計画において、一定水準以上の賃上げを表明・達成すること
公募スケジュール
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請受付期間 | 令和8年(2026年)2月24日(火) 〜 3月26日(木) 15:00まで |
| 採択発表 | 令和8年7月下旬以降 |
※2次公募では締切時間が「15:00」となっており、1次公募(17:00)より早まっている点に注意が必要です。締切前日までの申請完了は必須とお考えください。
2. 2次公募で変わった!5つの重要変更ポイント
1次公募の要領と比較すると、申請のハードルが実質的に上がっている箇所がいくつかあります。特に以下の5点は、申請準備の成否を分ける重要ポイントです。
① 賃上げ目標値が「全国一律4.5%」に引き上げ
1次公募では都道府県別の最低賃金上昇率(3.2%〜4.3%程度)を基準としていましたが、2次公募では「全国一律で年平均4.5%以上」に固定されました。地域に関わらず、より高い賃上げ目標が求められることになります。
② 「役員」が賃上げ算出対象から除外
1人当たり給与支給総額の計算から「役員」が除外され、「従業員(非常勤含む)」のみが対象となりました。経営陣の報酬アップではなく、純粋に従業員への還元を評価する仕組みへ純化されています。
③ 「100億宣言」の公表が申請時の必須条件に
1次公募では補助金申請と同時並行で「100億宣言」の申請が可能でしたが、2次公募では「申請時までにポータルサイトに公表されていること」が必須となりました。公表手続きには通常2〜3週間を要するため、早急な着手が必要です。
④ プレゼン審査の同席ルールが厳格化
2次審査(プレゼンテーション)において、外部コンサルタント等が「経営顧問」などの名目で同席することも明確に禁止されました。発覚した場合は、不採択や交付決定取消の対象となります。あくまで「経営者自身の言葉」が試される審査です。
⑤ 経済安全保障や「健康経営」が評価の視点に追加
審査項目に「知的財産の保護や重要技術の流出防止(経済安全保障)」や「健康経営優良法人の認定」などが追加されました。これらは「地域のモデル企業」としての姿勢を問う項目であり、加点要素としての重要性が増しています。
3. 1次公募の結果から見える「採択の壁」
2次公募の概要資料では、1次公募の結果データも公開されています。ここから、どのような企業が採択されているのかが見えてきます。
- ■採択倍率:約6.0倍(非常に狭き門)
- ■売上高成長率:年平均26.4%(申請全体平均の1.5倍以上)
- ■給与増加率:年平均5.9%(要件を大きく上回る水準)
- ■売上高投資比率:53.5%(収益規模に対して大胆なリスクテイク)
審査員のフィードバックによると、「国内市場だけで100億到達は現実的か?」「補助金がなければ投資しない、という姿勢になっていないか?」といった、事業の本気度と市場解像度が厳しく問われています。
まとめ:2次公募に向けたアクションプラン
今回の変更点を踏まえ、2次公募を目指す皆様は以下のステップで準備を進めてください。
- まずは「100億宣言」の申請を!(公表まで通常2〜3週間を要します)
- 全国一律4.5%の賃上げが許容できるか、財務シミュレーションを行う。
- 「健康経営」や「事業継続力強化計画」などの認定状況を再点検する。
- 経営者自身が、5年後の100億へのシナリオをプレゼンできるよう構成を練る。
中小企業成長加速化補助金は、金額が大きい分、審査も非常に厳格です。しかし、採択されれば「100億企業」への強力なブースターとなることは間違いありません。最新情報を常にチェックし、万全の態勢で臨みましょう。
掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。
補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
補助金ナビでは、主に中小企業様向けに経済産業省などの実施する補助金についてご案内しています。
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