多くの中小企業様が注目されている「中小企業省力化投資補助金(カタログ型)」について、その活用戦略と申請のポイントを解説しています。

この補助金は「カタログから製品を選ぶだけで簡単に申請できる」という点が強調されがちですが、単に製品を選ぶだけでは不十分です。
「人手不足の解消」という制度の趣旨を深く理解し、実効性のある事業計画を作成することが、採択への近道となります。

本記事では、YouTubeチャンネルで公開した解説動画の要点をまとめ、採択確率を高めるための具体的なアプローチをお伝えしています。以下の絵にて、動画でお伝えしています概要をお伝えします。

省力化投資カタログ型活用戦略

尚、2026年度実施分から、従業員数20人以下の区分について補助上限額の増額が予定されています。

1. 申請前に確認すべき「前提条件」

まず、この補助金に申請するための基本的な要件を確認しましょう。以下の2点は必須条件です。

カタログ登録済みの製品と販売店を選ぶ

導入する「製品」はもちろん、それを購入する「販売事業者(販売店)」も、あらかじめ事務局のカタログに登録されている必要があります。
「製品は登録されているが、いつもの取引先は未登録」という場合は申請できませんのでご注意ください。

既存業務の省力化であること

本事業の目的は、今行っている業務を効率化し、人手不足を解消することです。
したがって、「新しい事業を始めるために機械を入れる」といった新規事業の立ち上げに伴う投資は対象外となります。

2. 採択の鍵となる「人手不足」の証明

この補助金の最大のポイントは、「自社がいかに人手不足の状態にあるか」を客観的に証明することです。
事務局が用意している要件は以下の4つですが、推奨されるのは①〜③のいずれかです。

選択肢 内容と証明方法
① 常態的な残業 直近の従業員の平均残業時間が「月30時間」を超えている状態。
(証憑:時間外労働時間報告書など)
② 従業員の減少 整理解雇によらず、従業員が前年度比で「5%以上」減少している。
(※非正規従業員が主体の事業者の場合は、総労働時間の5%減少でも可)
③ 採用難 採用活動を行ったが、人材を確保できなかった。
(証憑:求人サイトの掲載画面キャプチャなど)
④ その他(非推奨) 「省力化を推し進める必要に迫られている」等の理由。
※審査が厳格化され、採択結果が大幅に遅れるリスクがあるため、原則として①〜③での申請をお勧めします。

3. 実効性のある事業計画の策定

ものづくり補助金などのように長文の事業計画書は不要ですが、以下の要素を明確に説明する必要があります。

① 労働生産性の向上目標

補助事業終了後3年間で、年平均成長率(CAGR)3.0%以上の労働生産性向上を達成する計画を作成します。
※労働生産性 =(営業利益 + 人件費 + 減価償却費)÷ 従業員数

② 事業計画の3つの説明ポイント

申請時には、以下の3点について具体的かつ論理的な説明が求められます。

1. 導入製品の使用方法

カタログ製品を自社のどの工程・業務プロセスに組み込み、具体的にどう活用するのか。現場レベルでの運用フローを明示します。

2. 省力化の効果

導入により削減できる工数やコストを、定量面(数値)と定性面の両方から説明します。

3. リソースの使途

省力化によって浮いた時間や人員を、どのように再投資するのか。「空いた時間を高付加価値業務にどう充てるか」が重要です。

💡 賃上げによる補助上限額の上乗せ

事業場内最低賃金を+45円以上、かつ給与支給総額を+6%以上増加させる計画を従業員に表明し実施することで、補助上限額の大幅な引き上げが可能です。

※ただし、賃上げが実施されない場合は補助金の返還義務が生じるため、慎重な判断が必要です。

4. 申請から入金までのロードマップ

全体の流れとして、以下の点に注意が必要です。

  • 事前着手は不可:交付決定前に発注・契約したものは対象外となります。
  • 立替払いが必要:製品導入費は一度全額を支払い、その後の実績報告・検査を経てから補助金が入金されます(原則12ヶ月以内)。
  • 3年間の効果報告:補助事業終了後も、生産性向上目標や賃上げ状況の報告義務があります。

省力化投資補助金は、単なる設備投資の支援ではなく、省力化によって生まれたリソースを成長分野へ投資し、賃上げと企業の成長を実現するためのものです。

補助金ナビおよびオフィスマツナガ行政書士事務所では、皆様がスムーズに申請し、事業の成長につなげられるよう、最新情報の提供や申請支援を行っております。ぜひ動画もあわせてご視聴いただき、自社の計画策定にお役立てください。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明