省力化投資補助金(一般型)の第6回公募が開始されました。今回の公募では、第5回公募から計算式の変更や対象要件の厳格化、提出書類の追加など、実務に直結する重要な変更が行われています。
本記事では、第5回公募からの主な変更点と、第6回公募へ申請する事業者が特に注意すべきポイントを解説いたします。申請をご検討中の事業者様は、事業計画の不備や申請後のトラブルを防ぐためにも、必ずご確認ください。

1. 第5回公募からの主な変更点

(1) 補助対象外となる事業・要件の厳格化

対象外となる事業や要件が、より厳格かつ具体的に明記されました。

  • 自社サービス開発の対象外化:利用者に有償で提供する設備、システム、サービス等の開発・改良を含む事業は補助対象外として追加されました。
  • 汎用設備の単体導入の不可:汎用設備やパッケージソフト等、オーダーメイド性の無い設備・システムを「単体」で導入する事業は対象外とされました。(※複数組み合わせて高い省力化効果等を生み出す場合は対象)
  • 観光庁補助金要件の具体化:過去に特定の観光庁補助金の交付決定を受け、そこから10か月を経過していない事業者は対象外であることが具体化されました。

(2) 補助対象経費・対象外経費のルールの明確化

  • 「借用」定義の明確化:ソフトウェア・システムの月額・年額利用料は機械装置費等の「借用」には該当せず、「クラウドサービス利用費」として計上する旨が追記されました。
  • システム改修費用の例外:既存システムの改修は原則対象外ですが、「補助事業にて新規に開発・導入するシステムと連携するための改修費用」は対象となることが明記されました。

(3) 申請手続きおよび提出書類の追加・厳格化

  • 交付申請の期限(2か月ルール):採択発表日から2か月後の日が原則的な交付申請期限とされました。期限までに申請がない場合は「採択決定の取消」となります。
  • 応募時の任意書類の追加:50万円以上の機械装置等・システムの「仕様・積算根拠が分かる書類(参考見積書等)」と、「サプライチェーンの省力化に寄与することを証する書類」が追加されました。
  • 交付申請時の必須書類の追加:交付申請時に「全従業員分の賃金台帳(応募申請の直近決算月分)」の提出が必須となりました。

(4) 審査基準(加点・減点・口頭審査)の変更

  • 加点項目の追加:「省力化ナビ加点(省力化ナビを活用し知見を確認)」「健康経営優良法人加点(2026認定)」が追加され、全9項目となりました。また「事業継続力強化計画加点」は振り返り報告等による上乗せ措置が導入されました。
  • 減点項目の追加:特定期間に類似テーマへ申請が集中した場合の「過剰投資」に対する減点項目が追加されました。
  • 口頭審査の明確化:ソフトウェア投資やシステム開発等、書面での詳細な理解が難しい案件を中心に、口頭審査が実施されることが明記されました。

(5) その他の変更点

交付決定までに小規模事業者の定義から外れた場合の補助率が、第5回の「1/3〜1/2」から、第6回では「1/2に変更」へと統一されました。

2. 申請事業者が特に注意すべきポイント

上記の変更を踏まえ、第6回公募に申請する事業者が対応・留意すべき重要なポイントを整理しました。

① 対象要件の再確認と事業計画の見直し

  • 汎用設備の単体導入はNG: パッケージソフト等を単体導入するだけの計画は対象外です。複数組み合わせて高い効果を生む計画とする必要があります。
  • 自社サービスの開発はNG: 導入したシステムを有償提供するなど、自社サービス開発を含む事業は対象外となります。
  • 既存システムの改修: 新規導入システムと「連携するため」の改修費用であれば対象となります。目的を明確にして経費計上してください。

② 経費区分の正確な振り分け

ソフトウェア等の月額・年額利用料は機械装置等の「借用」には該当しません。これらは必ず「クラウドサービス利用費」として計上し、見積書や経費内訳の区分を間違えないようご注意ください。

③ スケジュール管理の徹底と追加書類の準備

  • 交付申請の「2か月ルール」: 採択後は速やかに手続きを進めてください。期限超過は「採択取消」という重いペナルティがあります。
  • 賃金台帳の事前準備: 交付申請時に全従業員分(直近決算月分)の賃金台帳提出が必須です。採択後すぐに提出できるよう準備を推奨します。
  • 見積書等の早期取得: 任意書類である「参考見積書・カタログ等」は、審査を円滑に進めるためにも申請段階で取得しておくことが望ましいです。

④ 新たな加点項目の取得と減点(過剰投資)の回避

  • 「省力化ナビ」の活用: 申請締切日までに中小機構の「省力化ナビ」を活用(申請時と同じGビズIDでログイン)することで加点が得られます。手軽に取り組めるため確実に対応しましょう。
  • 過剰投資減点の回避: 流行に便乗した投資と見なされないよう、自社の経営課題解決に本当に必要な投資であることを、事業計画書において論理的かつ独自性をもって説明する必要があります。

⑤ 口頭審査への入念な備え

システム開発案件などでは、オンラインでの口頭審査が実施される可能性が高くなります。外部の支援機関に任せきりにせず、申請事業者(代表者等)自身が、自らの言葉で事業計画の背景や詳細を説明できるよう、周到な準備を行ってください。

第6回公募では、より緻密な計画立案と迅速な手続きが求められます。
変更点を正しく理解し、余裕を持った事前準備を進めましょう。

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補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明