「事業再構築補助金」各枠の要件等確認 第5回「大規模賃金引上枠」

 
予算額および補助上限金額の大きさから人気の「事業再構築補助金」!

この「事業再構築補助金」各枠の要件と特徴について、枠毎に確認しています。

第5回(最終回)は「大規模賃金引上枠」について解説します。

「大規模賃金引上枠」は、従業員規模が大きな事業者様が再構築をおこないつつ賃上げをすることを支援するものです。

大規模賃金引上枠について、通常枠と異なる箇所は以下の通りです。

〇概要
多くの従業員を雇用しながら、継続的な賃金引上げに取り組むとともに、従業員を増やして生産性を向上させる中小企業等の事業再構築を支援

〇補助対象要件(以下の内容には各枠共通要件も含む)
下記①~⑥の全てを満たすこと。

①事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること【事業再構築要件】

②2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、
 コロナ以前(2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること等【売上高等減少要件】
 (※)売上高に代えて付加価値額を用いることも可能。詳細については、公募要領を参照してください。

③事業計画を認定経営革新等支援機関及び金融機関と策定していること【認定支援機関要件】

④補助事業終了後3~5年で付加価値額の年率平均3.0%以上増加、
 又は従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%以上増加する見込みの事業計画を策定すること【付加価値額要件】

⑤補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、
 事業場内最低賃金を年額45円以上の水準で引き上げること【賃金引上要件】

⑥補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間
 、従業員数を年率平均1.5%以上(初年度は1.0%以上)増員させること【従業員増員要件】

〇補助金額
 【従業員数101人以上】8,000万円超 ~ 1億円

〇補助率
 中小企業者等 2/3(6,000万円超は1/2)
 中堅企業等  1/2(4,000万円超は1/3)

)大規模賃金引上枠で不採択の場合は、通常枠で再審査されます。

〇大規模賃金引上枠固有の提出書類
大規模賃金引上枠応募申請時に、各枠共通書類以外に必要とされる書類は以下の通りです。

 ・申請時点の直近月の事業場内最低賃金が明記され、
  補助事業実施期間の終了時点を含む事業年度から3~5年の事業計画期間終了までの間、
  事業場内最低賃金を年額 45円以上引き上げる計画を従業員等に表明していることがわかる書面

 ・直近の事業場内最低賃金で雇用している従業員全てが分かる賃金台帳(又はそれに相当する書類)

〇大規模賃金枠枠の特徴

 ・従業員数101人以上の事業者が対象

 ・上記【賃金引上要件】および【従業員増員要件】がある

 ・補助金額が大きい(補助下限/上限金額のいずれも大きい)

 ・大規模賃金引上枠で不採択の場合は、通常枠で再審査される

補助金ナビでは、事業再構築補助金事業計画書の作成方法の解説と、申請に便利な「申請書ひな型」ダウンロード等を含む、オンラインセミナーを提供しています。

2022年度実施事業再構築補助金オンラインセミナー

「事業再構築補助金」の最新のニュースはこちら

掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。また、筆者の個人的な見解も含まれています。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明