中小企業・小規模事業者の皆様の労働生産性向上を支援する「IT導入補助金」が、令和8年(2026年)より装いを新たに「デジタル化・AI導入補助金(中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金)」として実施されることが発表されました。

本記事では、2026年1月時点で公表されている情報をもとに、新制度の概要、従来のIT導入補助金との違い、各申請枠の詳細について解説します。

【本記事の内容】

  • デジタル化・AI導入補助金2026の概要
  • 従来のIT導入補助金(2025以前)との違いと注意点
  • 各申請枠の解説(通常枠・インボイス枠など)
  • 2026年の実施スケジュール

デジタル化・AI導入補助金2026とは

「デジタル化・AI導入補助金」は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウェア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップといった経営力の向上・強化を図ることを目的とした制度です。

今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)に対応するため、生産性向上に資するITツールやAI技術の活用を強力に支援します。

IT導入補助金2025との違い・注意点

従来の「IT導入補助金」から名称が変更され、「AI導入」が明記されたことが大きな特徴です。基本的なスキームは踏襲されていますが、より高度なデジタル化(DX)やAI活用による生産性向上が重視されています。

主なポイント

  • AI活用の推進:名称に「AI」が含まれた通り、業務効率化だけでなく、AI機能を搭載したソフトウェアや分析ツールの導入が推奨されます。
  • インボイス対応の継続:引き続き、インボイス制度への対応(会計・受発注・決済ソフト)およびそれに伴うハードウェア導入(PC・タブレット・レジ等)が手厚く支援されます。
  • 賃上げ要件:通常枠等において、補助率の引き上げや申請要件として「賃上げ目標」の設定が求められる場合があります。

【枠別】対象経費と補助額・補助率

2026年の制度では、目的別に主に以下の4つの枠(および類型)が設けられています。各枠の補助率や対象経費の詳細は以下の表をご覧ください。

デジタル化・AI導入補助金

1. 通常枠

自社の課題にあったITツール(ソフトウェア、サービス)を導入し、業務効率化やDXを推進するための枠です。クラウド利用料(最大2年分)や保守運用費用も対象となります。

  • 対象ツール:業務効率化・生産性向上に資するソフトウェア
  • AI導入:本枠では特に、業務プロセスを自動化・高度化するAIツールの導入が推奨されています。

2. インボイス枠

インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」ソフトの導入を支援する枠です。この枠の特徴は、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア購入費用も補助対象となる点です。

インボイス対応類型

中小企業・小規模事業者がインボイス制度対応のために導入する場合。小規模事業者は最大4/5の高補助率が適用されます。

電子取引類型

発注者(大企業含む)が費用を負担し、取引先である中小企業等が無償で利用できるインボイス対応ソフトを導入する場合を支援します。

3. セキュリティ対策推進枠

サイバー攻撃の増加に伴い、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているセキュリティサービスの利用料(最大2年分)を補助します。

4. 複数社連携デジタル化・AI導入枠

商店街や組合など、10者以上の中小企業・小規模事業者が連携してITツール導入やキャッシュレス決済の普及に取り組む場合、その事務費や専門家経費を含めて支援します。

2026年の実施スケジュール

事務局ポータルサイトにて2026年の事業スケジュールが公表されました。各種申請は2026年3月30日(月)10:00より開始される予定です。

【通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠】

締切日 交付決定日(予定) 事業実績報告期限(予定)
1次 5月12日(火)17:00 6月18日(木) 12月25日(金)17:00
2次 6月15日(月)17:00 7月23日(木) 2027年1月29日(金)17:00
3次 7月21日(火)17:00 9月2日(水) 2027年2月26日(金)17:00
4次 8月25日(火)17:00 10月7日(水) 2027年3月31日(水)17:00

【複数社連携デジタル化・AI導入枠】

締切日 交付決定日(予定) 事業実績報告期限(予定)
1次 6月15日(月)17:00 7月23日(木) 2027年1月29日(金)17:00
2次 8月25日(火)17:00 10月7日(水) 2027年3月31日(水)17:00
【重要】申請準備について
IT導入支援事業者・ITツールの登録申請も2026年3月30日(月)10:00より開始されます。
交付申請には、法人・個人事業主共通認証基盤である「gBizIDプライム」のアカウント取得が必須です。発行までに時間がかかる場合があるため、未取得の事業者様は3月の公募開始までに取得を済ませておくことを強くお勧めします。

IT導入支援事業者の皆様へ

本補助金において、中小企業・小規模事業者へITツールを提案・導入支援を行う「IT導入支援事業者」および「ITツール」の登録申請も、上記の通り3月30日より開始されます。申請者のパートナーとして、生産性向上に資するサポート体制の構築が求められます。

尚、IT導入補助金2025にて、交付決定の実績のあるIT導入支援事業者とITツールは、事前移行制度の活用が可能です。

本補助金は、インボイス対応や業務効率化を進める絶好の機会です。補助金ナビでは、今後も締切日等の最新情報を随時更新してまいります。

※本記事は2026年1月23日時点の公表情報を基に作成しています。詳細な要件や最新の公募要領については、必ず公式の事務局ポータルサイトをご確認ください。

掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。
補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明