補助金ナビ:IT導入補助金WEB講座(ITベンダー・サービス事業者様向け)
当WEB講座は、平成29年および30年に実施された「IT導入補助金」に対応しています。平成31年実施分については、予算枠の見直しおよび補助上限/補助下限額の変更に伴い、実施要領の変更が予想されますが、参考の為、そのまま掲載しています。
第4回 交付申請時の留意点
4.交付申請時の留意点
「3」に記述した通り、IT導入補助金は販売事業者による代理申請制です。顧客となる事業者にとって申請のハードルが低く、簡単に申請する(申請を販売事業者にお任せする)ことができます。一方、販売事業者は多くの役割を担うことになります。登録したITツールの販売に加え、IT導入補助金の申請代理行う為に、当補助金についての正しい知識を身に付け、顧客の事業者に対して説明する必要があります。更に、採択の確率を高める為には、事業計画に対するアドバイスも必要となります。以下、補助金の申請(交付申請)時の、販売事業者としての留意点を上げます。
1)IT導入補助金のスキーム、流れの理解と顧客への説明
・公募要領や手引きを熟読し、IT導入補助金について詳細に理解する。
・申請時期や補助事業期間(発注から支払までの全ての行為を実施できる期間)など、IT導入補助金に関する最新かつ正しい情報を入手する。必要に応じて事務局への問い合わせを行う。
・補助金の対象となるITツールの機能を十分に理解する。
・自社の販売対象商品のうち、補助対象費用となるものとならないものがある場合は、顧客に対して正確な説明ができるように準備する。できれば説明資料へ明記することが望ましい。
・顧客へ十分な説明を行う。IT導入補助金は、対象となるITツールの導入を期限までに申請をすれば必ず採択を受けられるものではなく、導入事業者の事業計画内容が審査されることを理解してもらうとことが大事。
2)政策面の審査項目への対応
補助金は、国等の政策実現の手段として実施されます。「政策面の審査項目」とは、いわゆる「審査時の加点」として、申請内容が政策実現の方向性と一致している場合は、審査時に一定の加点が行われ優遇されます。従って、この加点は必ず取得するようにしましょう。多くの補助金ではこの審査項目は前年の内容から変更や追加がなさます。公募開始時に必ず確認し、加点を獲得するようにしましょう。また、加点項目の取得には時間を要することもありますので、早めに準備することが必要です。
3)顧客が書き易い事業計画書式の提示
平成29年実施のIT導入補助金では、顧客から販売事業者へ申請内容を伝える為のエクセル書式のワークシートが準備されていました。自社の顧客にとっての利便性を高め、審査項目に関する説明を補足することで、顧客に審査の観点を理解してもらうなどの工夫をすることで、顧客に対して何度もヒアリングや確認することを防ぐことに繋がります。
具体的には、自社のITツール名、機能、価格などを予め記載しておいたり、書式上任意項目とされている補足は、審査を考慮すると実質的には記入必須であることなどを明記します。
4)事業計画のチェックとブラッシュアップ
顧客から提示を受けた事業計画について、審査項目にそったチェックとブラッシュアップをします。審査項目を熟読し、採択率を高める対策をとることが必要です。IT導入補助金の申請形式は、必要な項目に記入して行くだけですので、簡単に記入できますが、これはアンケートの回答ではなく、事業計画を記載するものです。項目に答えて行くだけですと、説得力に欠ける計画内容になってしまいます。
審査項目は、図3の通りです。この審査項目を念頭に、事業面の具体的な審査の記載内容が、論理的に筋道を立てて説明されているかを確認しましょう。その為には、特に補足説明が大切です。
「補足説明事項の審査」項目をよく読んで、審査員が一読してこの項目に該当していると判断できるかを確認します。誤字脱字は絶対に無いようにしてください。
数値項目は、計画目標値の審査に合致するようにミスや洩れなく記載してください。向上率の数値が高ければ高いほど良いというものではありません。文章記述部分と整合性をとり、審査員が納得できる実現可能な計画を立ててください。
5)必要に応じて、支援専門家の支援を仰ぐこと
前述の通り、申請にあっては事業計画のブラッシュアップが必須です。自社で対応できない場合は、必要に応じて事業計画作成の支援専門家へ依頼をしましょう。周囲に支援専門家がいない場合は、中小企業庁が実施している未来の企業応援サイト「ミラサポ」の専門家派遣制度の利用や、地域プラットフォームへ相談されることが良いでしょう
筆者:認定支援機関 オフィスマツナガ行政書士事務所 所長・行政書士 松永敏明
本記事は、平成29年に実施された平成28年度補正予算IT導入補助金のスキーム、要件、審査項目等に基づき記述しています。平成30年に実施される平成29年度補正予算IT導入補助金では内容の見直しがなされる可能性もありますので、お仕事への活用に際しては、必ず公募要領等の最新情報を確認いただく様にお願いします。
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