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「ものづくり補助金」 よくある質問&ご相談 No.1

このQ&Aは、ものづくり補助金セミナーやオフィスマツナガ行政書士事務所へいただきました多くのご質問やご相談のうち、複数の方から同様の質問をいただいたなど主要なものを抽出して作成いたしました。

尚、この内容は平成30年度補正予算ものづくり補助金 公募要領に基づいております。

〇質問1:「ものづくり補助金の対象となる機械装置」というものは存在するのか?

Q:金属製品加工業を営んでいます。機械メーカーの営業担当から「当社の〇〇〇装置は『ものづくり補助金』の対象となります。」と言われました。補助金が得られ、経費が2分の1になるのであれば、ものづくり補助金を申請したいと思っていますので、申請書の書き方を教えてください。

A:ものづくり補助金の補助対象事業とは、「ものづくり技術」の類型で応募する場合は、以下の通りとされています。
「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、3~5年計画で、「付加価値額.」年率3%及び「経常利益.」年率1%の向上を達成できる計画であること。
ここに書かれている通り、導入する機械装置そのものが要件を満たすとか、満たさないということはありません。
補助金を活用して機械装置を導入し、それを活用して「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善」を行うことが必要です。当該機械装置を導入すれば多くの企業が実現できることであれば、そこに革新性はありません。自社のノウハウ、スキルを活用することにより、他社が容易には追随できない「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善」をすることが必要となります。従って、そのメーカーの機械装置を導入するだけの計画では、ものづくり補助金の採択を受けることは難しいです。

★解説:最近、このようなお問い合わせを多くいただきます。平成29年から実施されている「IT導入補助金」の場合、対象ソフトウェアを導入することで生産性向上が期待できることが要件となっており、対象事業の革新性、独自性は要求されていません。この為、このようなご質問が増えているものと考えらえれます。「ものづくり補助金」は、自社事業計画の革新性、他社が真似できない独自性、競争力のある付加価値が必要とされますので、ご注意ください。

〇質問2:「採択実績のある他社の申請書」を活用できるか?

Q:ソフトウェア会社の営業担当から「当社の〇〇〇システムは、昨年、当社取引先のA社様にて『ものづくり補助金』の対象機械装置として採択を受けた実績があります。A社のご厚意により採択実績のある申請書をお渡ししますので、これを転記して申請すれば採択されるのは確実です。」と言われました。本当にそうでしょうか?

A:質問1と同様のお答えとなりますが、補助事業の要件はあくまでも申請事業者の計画が「革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善」(革新的サービスの場合)あるいは「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善」(ものづくり技術の場合)を行う事業であることです。A社の計画を参考にされてご自身の会社固有の革新性、独自性のある事業計画を作成できれば採択の可能性もありますが、事業計画内容を書き写したレベルのものでは、採択を受ける可能性は極めて低いと考えられます。

★解説:補助金の申請は、自社が自ら準備、実施し、事業化する事業計画を記載し、記載した内容を着実に実施するものです。他社の事業計画書を書き写すという行為は、事業者としてあってはならないことです。
ものづくり補助金の公募要領に以下の記載があります。
『本事業では「他社と差別化し競争力を強化」する事業計画を支援対象としておりますので、複数の中小企業・小規模事業者から同一内容の応募申請があった場合、「他社との差別化」には当たらず、採択をしない場合があります。他社の事業計画をコピーしたり、他社にコピーされないようご注意ください。』
ものづくり補助金の公募要項の記載ですので、「採択をしない場合があります。」となっていますが、私はこのケースでは「採択を受ける可能性は極めて低い。」と考えています。
尚、補助金ナビが主催する「ものづくり補助金他 採択率を高める事業計画作成法」セミナーでは、実際に採択を受けた申請書事例をご覧いただいております。こちらは、対象事業の要件を満たす事業計画の例、および審査項目に合致した事業計画申請書の記載例をご覧いただき、自社の事業計画策定や申請書作成に役立てていただくために、行っております。

〇質問3:機械装置の老朽化対策

Q:生産ラインの機械装置が老朽化したので買い換えたいが、ものづくり補助金は活用できますか?

A:単に老朽化装置の買い替えだけでは採択は難しいと思われます。このような場合、新しい機械装置を導入することで、自社の保有するスキル、ノウハウを活用し「革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善」あるいは「革新的な試作品開発・生産プロセスの改善」を実現する事業であれば、採択の可能性があります。

〇質問4:今年の公募要領が公開されるまでは準備しても無駄ではないでしょうか?

Q:今年実施される「ものづくり補助金」の公募要領が公表されていないので現時点では詳細はわかりません。ですから、公募開始前に準備をしても無駄ではないかと思いますが。

A:ものづくり補助金の補助対象者、対象事業、審査項目などは、過去数年間大きく変わってはいません。経費品目や加点項目など、昨年に比べ多少変わる部分もあるかもしれませんが、準備が全く無駄になる程の変化の可能性は少ないないものと考えられます。採択率を高めるには、革新性や他社が真似できない独自性、競争力を有する付加価値を持った事業計画を策定する必要がありますので、閣議決定直後から準備を開始することが採択への王道です。
また、経営革新計画申請による補助率アップなどは公表されています。経営革新計画の申請は、一定の要件を整えていませんと受理されませんので、補助率アップを狙う場合は早期の準備開始が必要です。

〇質問5:創業直後の事業者

Q:当社は設立直後で、まだ決算期を迎えていません。このような状況で「ものづくり補助金」の採択を受けることは可能でしょうか?

A:ものづくり補助金は、創業前の方は申請できませんが、申請時点で事業を実施していれば補助対象者の要件は満たします。実際に、創業直後の事業者でも採択を受けた例もあります。但し、事業実績がない為、自社の保有するノウハウ、スキルや事業の実現可能性について、実績のある事業者に比べ、より具体的かつ詳細でわかり易い説明が必要となると考えられます。

〇質問6:業績の悪い会社

Q:ここ数年業績が悪く赤字が続いています。「ものづくり補助金」採択の可能性はあるでしょうか?

A:赤字決算だからといって採択をされないことはありません。事実として債務超過の企業であっても採択を受けたケースもあります。但し、補助事業の実現可能性および事業化の見込みも審査項目ですので、債務超過の企業は、資金面や事業継続などの面を厳しく審査されます。

★解説事業化面の審査項目として「事業実施のための体制 (人材、事務処理能力等) や最近の財務状況等から事業を適切に遂行できると期待できること。」があります。単に、従って、業績が良くない企業は、財務諸表や事業計画の数値を提示するだけではなく、その原因や、売上、収益、キャッシュフローの見通し等の根拠をより明確に示す必要があります。

〇質問7:病院は対象?

Q:病院はものづくり補助金の対象になりますか?

A:ものづくり補助金の申請主体として医療法人は対象になりませんが、個人事業主の場合は対象になります。また、資産管理会社をお持ちの場合も多いと思いますが、実際に事業を実施していない事業主体が申請しても、採択を受けるのはなかなか難しいと考えられます。

〇質問8:人件費は補助金の対象になりますか?

Q:当社は社内で研究開発を行っています。ものづくり補助金では、人件費(社員給与)は対象になりますか?

A:ものづくり補助金では、役員報酬はもちろんのこと社員やアルバイトなどの給与などの人件費は対象となりません。外注費や業務委託費は対象となりますが、補助対象経費に占める割合に制限がありますので、ご注意ください。また、「主たる技術的課題の解決方法そのものを外注又は委託する事業」や「試作品等の製造・開発の全てを他社に委託し、企画だけを行う事業」も対象外とされています。

〇質問9:過去にものづくり補助金の採択を受けた事業者

Q:過去にものづくり補助金の採択を受けたことがあるのですが、採択を受けることができますか?

A:類似の内容については採択を受けることはできません。過去にものづくり補助金の採択を受けたことがある事業者様は、その内容と申請する事業との相違点、新たに行う事業自体の革新性を明確に記載する必要があります。

〇質問10:複数の事業で申請できますか?

Q:複数の事業所で別の事業を行っています。それぞれの事業所毎に応募し、採択を受けた方の事業を実施したいのですが・・・。

A:同一の事業者の応募申請は、1回の募集について1つのみとされています。例え申請先の都道府県が異なっていても、複数応募してしまいますと採択をされません。万一、採択を受けても取り消されることになりますので、ご注意ください。

ものづくり補助金 よくある質問&ご相談 No.2

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