2024年実施ものづくり補助金18次締切「製品・サービス高付加価値化枠」は、昨年までの「通常枠・デジタル枠」の要件と大きく異なると考えられる部分がありますのでご注意ください。
ものづくり補助金18次締切の公募要領によれば「製品・サービス高付加価値化枠」について以下の記述があります。
2024年実施 18次締切「製品・サービス高付加価値化枠」の対象事業
■通常類型: 革新的な製品・サービス開発の取組みに必要な設備・システム投資等を支援します。
■成長分野進出類型(DX・GX): 今後成長が見込まれる分野(DX・GX)に資する革新的な製品・サービス開発※の取組みに必要な設備・システム投資等を支援します。
※ 革新的な製品・サービス開発とは、顧客に新たな価値を提供することを目的に、導入した設備・システムを用いて、自社の技術力等を活かして製品・サービスを開発することをいいます。単に設備・システムを導入するにとどまり、製品・サービスの開発を伴わないものは該当しません。また、業種ごとに同業の中小企業(地域性の高いものについては同一地域における同業他社)において既に相当程度普及している製品・サービスの開発は該当しません。
これに対して、2023年に実施された、16次締切の公募要領では、以下のように記述されていました。
昨年実施 16次締切「通常枠、デジタル枠、グリーン枠」の対象事業
■通常枠:革新的な製品・サービス開発又は生産プロセス・サービス提供方法の改善に必要な設備・システム投資等を支援
■デジタル枠:DX(デジタルトランスフォーメーション)に資する革新的な製品・サービス開発又はデジタル技術を活用した生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援
■グリーン枠:温室効果ガスの排出削減に資する取組に応じ、温室効果ガスの排出削減に資する革新的な製品・サービス開発又は炭素生産性向上を伴う生産プロセス・サービス提供方法の改善による生産性向上に必要な設備・システム投資等を支援
2024年実施ものづくり補助金18次締切では、昨年実施16次締切と比較して、「生産プロセス・サービス提供方法の改善(による生産性向上)」という文言が削除されていることがわかります。
また、2024年実施18次締切の公募要領には、「製品・サービス高付加価値化枠」の追加要件として以下の記載があります。
2024年実施 18次締切「製品・サービス高付加価値化枠」の追加要件
■通常類型・■成長分野進出類型(DX・GX)共通
(1)3~5年の事業計画期間内に、新製品・サービスの売上高の合計額が、企業全体の売上高の10%以上となる事業計画を策定すること
■成長分野進出類型(DX・GX)
(3)DX:DXに資する革新的な製品・サービスの開発であること
GX:グリーン成長戦略「実行計画」14分野に掲げられた課題の解決に資する革新的な製品・サービスの開発であること
※1 DXに資する革新的な製品・サービスの開発とは、例えば、AI、IoT、センサー、デジタル技術等を活用した遠隔操作や自動制御、プロセスの可視化等の機能を有する製品・サービスの開発(部品、ソフトウェア開発を含む)等をいう。
※2 グリーン成長戦略「実行計画」14分野とは、令和3年6月18日付で策定された「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において、「実行計画」が策定されている14分野をいいます。分野毎に「現状と課題」として記載のある「課題」の解決に資する取組であることが必要となります。14分野のうちどの分野のどの課題の解決に資する取組であるかあらかじめご確認ください。
追加要件として、新製品・サービスの売上高の数値目標の設定が必要となっています。
以上の通り、2024年実施18次締切の公募要領には、対象事業、追加要件のいずれにおいても、「新製品・サービスの開発」のみとなっており、「生産プロセス・サービス提供方法の改善」の記述がありません。
従って、2024年実施ものづくり補助金第18次締切の「製品・サービス高付加価値化枠(通常類型、成長分野進出類型(DX・GX))」においては、「新製品・新サービスの開発」が対象であり、昨年までの通常枠やデジタル枠で対象となっていた「生産プロセス・サービス提供方法の改善」は対象にならないものと考えられます。
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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明
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