2025年10月1日、新事業進出補助金の第1回公募の採択発表がありました。

補助金ナビの記事にも記載しました通り、応募および採択の状況は以下の通りです。

新事業進出補助金第1回公募 採択結果

・申請受付件数:3,006件

・採択件数:1,118件

・採択率:37.2%

 37.2%という採択率は「事業再構築補助金最終回」(26.5%)や、直近の「ものづくり補助金19次締切(製品・サービス高付加価値化枠)」(32.3%)と比較するとやや高いですが、30%台は、かなり厳しい採択率です。

 この補助金は、事業再構築補助金の基金のうち、1500億円を予算枠として実施されているものです。第1回公募の採択結果概要資料では、採択者の補助金申請額の分布が公開されていますが、それによれば、2200万円程度が平均値と見られますので、それに、採択件数を乗じると第1回公募分の補助金額合計は約257億円となります。

 事務局経費を勘案しても予算枠に対してかなり余裕があるように思われますが、この状態でも30%台の厳しい採択率となったということは、応募された事業計画が採択のレベルに達していなかったものが多かったか、応募件数が想定を大きく下回ったのかもしれません。

 現在、第2回公募(2025年12月19日締切、2026年3月下旬採択発表)が開始されていますが、更に第3回公募を12月中に開始することもすでに公表されています。日程によっては、第2回公募へ応募される事業者様は、第3回公募には申請できない可能性もあります。(第1回公募開始~第2回公募開始の間の期間は5ヵ月弱ありましたが、第2回公募開始~第3回公募開始は約3ヵ月のため。)

 今後も30%~40%台の採択率が予想され、当補助金については必ずしも早い公募回への応募が有利になるとは限らないとも考えられますので、拙速に早い公募回に応募されることはあまりお奨めできません。以前よりご案内をしています通り、この補助金は電子申請にとても手間と時間がかかります。応募される場合は、入念が準備が必要です。事業計画を十分に練り上げることができない場合には、公募時期を次回へずらすこともご検討されることも一案と思われます。

 とは言え、締切日までには十分に時間がありますので、この期間を活用して各種資料等を参考に事業計画を十分にブラッシュアップできる事業者様は、当然に第2回公募に応募されることもよろしいかと思います。

 

「関税加点」について

採択結果概要資料には、採択件数:1,118件のうち、「関税加点」の対象者が590件と50%を超えていますので、関税加点も重要点のようです。ご留意ください。

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オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明