2020年実施ものづくり補助金(一般型、特別枠/通常枠)3次締切の採択結果分析 No.1

 

令和元年度補正予算・令和二年度補正予算(2020年実施)「ものづくり補助金」(一般型:三次締切)の補助事業者採択結果が発表されました。

全体としての採択率(応募総数に対する採択者の割合)は、38.1%と、二次公募に比べて、かなり低い率となりました。

詳しいデータは、今後、ものづくり補助金データポータルで発表されると思いますので、詳しい分析はそちらの発表を待ちたいと思いますが、先ずは簡単に分析をしてみましょう。

2020年実施のものづくり補助金(一般型)の応募・採択状況をまとめると下表の通りとなります。

2020年度実施ものづくり補助金 応募・採択状況

また、これらのデータの一部をグラフ化してみました。2020年度実施ものづくり補助金 応募・採択状況

-- PR --

2020年度実施ものづくり補助金 応募・採択状況これらのデータを基に、注目される箇所について記載します。

以下の記載内容は、特に断りのない限り、一次締切 ⇒ 二次締切 ⇒ 三次締切 の順に記載しています。

○公募期間
21日 ⇒ 50日 ⇒ 73日 と、公募期間は長くなっています。

○応募総数
2,287 ⇒ 5,721 ⇒ 6,923 と、公募期間に比例して増えています。

○採択者総数
1,429 ⇒ 3,267 ⇒ 2,637 と、三次は二次に対して、20%減となりました。

○全体としての採択率
62.5% ⇒ 57.1% ⇒ 38.1% と大幅に減少しました。
公募期間が長くなり、事業計画のブラッシュアップ時間は可能であったと考えられますが、予算枠から採択者数が抑えられたのか、質が基準に満たなかったのかいずれかでしょうか。
筆者の私見としては、両面があると思いますが、今回は後者の比率が高いのではないかと考えています。

○特別枠の採択(こちらの数字は、二次締切 ⇒ 三次締切 の順に記載)
特別枠での採択者数は、 1,773 ⇒ 1,076 と、40%減
同採択率は、      53.4% ⇒ 23.6% と、45%減

一方で、

特別枠応募で通常枠での採択者数は、488 ⇒ 1,072 と、120%増加
同採択率は、           14.7% ⇒ 23.5% と、60%増加

と、大幅に増加しました。

特別枠としての応募基準は満たしたものの、合格点には達しなかったが、加点により、通常枠で採択となったケースが非常に多かったということになります。
特別枠としては初回であった二次締切に比べ、二回目となった三次締切では、特別枠の審査が相対的に厳しくなったということもあるかもしれません。

最後に、筆者の周りから聞こえてきた、三次締切応募事業者様からの感想(他の支援専門家から間接的に伺ったものも含めて)を列挙致します。

○申請事業者/支援者感想

・製造業 A社様(採択)
時間がなくギリギリの申請となってしまったが、運よく採択された。
生産方式の改善については、特に技術面に自信をもっていたが、事業化面についてはまだまだ考慮すべき点が多く、今回はあきらめていたが採択され、本音では驚いている。

・製造業 B社様(採択)
ITを活用した新たな生産方式の導入で申請した。
ソフト会社からの提案を踏まえて、自社として同業他社では例のない方式の導入を決めたことが評価されたことと思う、

・製造業C社様(採択)
「その1」を書くので手一杯となり、事業化計画については内容が薄いと感じていた。
また、加点もほとんど無かった為、今回は難しいだろうと考え4次締切に向けて準備をしていたところ。
新商品は他社には例のない革新的なものであり、この開発が加速できる為、大変嬉しく思っている。

・製造業 D社様(不採択)
機械装置の導入により、生産性を向上する計画。
技術面、事業化面のいずれについても、それなり記載できたと思っていたので、期待は大きかったが残念です。
「革新性」の訴求が難しかった。やはり、その点が弱いと、採択は難しいことを痛感しました。

・サービス業 E社様(不採択)
ビジネスモデルの独自性には自信を持っていたので、残念。
また、知人の二次締切採択事業者から、さほど大変ではなかったように聞いていたので、今回の採択率の低さに驚いている。
結果を踏まえて考えると、「新たなサービス」とその革新性について、自分自身でも明確に整理できていなかったようにも思える。甘く考え過ぎていたかも知れない。
新な設備投資によって創り出すサービスの独自性、革新性について、踏み込んだ検討が必要だったかもしれない。

ヒアリングできた範囲は僅かですので、三次締切の傾向がわかる訳ではありませんが、やはり、ものづくり補助金の採否を分ける最大のポイントである「革新性」について、申請書を書く前に十分に確認、検討することが必要であると考えています。

この「革新性」については、以下のご確認ください。
ものづくり補助金 よくある質問&ご相談(〇質問10:ものづくり補助金が求める「革新性」とは?)

筆者が講師を務めています「2020年度実施ものづくり補助金オンラインセミナー」でも、この点をしっかりと解説しています。

本記事は、公開情報に基づき、筆者の個人的意見を交えて記述しています。筆者および運営会社は当記事内容の完全性を保証するものではありません。公募申請等に際しては、必ず事務局発表の最新情報をご確認くださいますようにお願いします。
オフィスマツナガ行政書士事務所(認定経営革新等支援機関)所長・行政書士 松永敏明

「ものづくり補助金」についてのニュースは、こちらでご紹介しています。

2020年度実施ものづくり補助金オンラインセミナー