2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)採択率予想と応募準備
2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の第4回締切分の採択発表がありました。コロナ特別対応型の公募は終了しましたが、2021年は小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の公募が決定しています。
小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)は、補助上限額100万円、補助率3/4と、2020年公募実施のコロナ特別対応型と同様に、一般型に対してメリットも大きいですので、期待されている事業者様も多いのではないでしょうか。
そこで、2021年実施の小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の応募準備のために、2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択結果を分析します。更に、2021年実施の小規模事業者持続化補助金(低感染リスクビジネス枠)の採択率について大胆に予想してみます。
筆者は小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択率が下がるだろうという予想し、このことを第1回締切の採択後の2020/6/10に投稿していました。この記事には「過去の創業補助金では、当初80%台だったの採択率が最終締切では20%台になりましたので、ご注意ください。」と書きましたが、まさに、同じ結果を辿っています。
(参考記事)小規模事業者持続化補助金の採択率について(その2)
●2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択結果分析
2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択率は、20%台になりました。小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の採択率は、以下推移となっています。
1)5月10日締切 :81.6%
2)6月 5日締切 :81 .3%
3)8月 7日締切 :33 .9%
4)10月 2日締切 :29 .4%
5)12月10日締切 : 未発表
他の記事にも掲載していますが、2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(一般型・コロナ特別対応型)の応募、採択実績は以下の通りです。
2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)では、第1,2回公募締切と第3回以降の公募締切では、応募時の外部環境に大きな違いがあります。主な違いとしては、以下の点があげられます。
・第1,2回は、公募期間が短かった。
コロナ特別対応型の公募開始は、4/28、第1回締切は5/15(必着)、第2回は6/5(同)です。
・第1,2回は、緊急事態宣言期間中に行われた
4/7に、東京をはじめ7都府県で第1回の緊急事態宣言発出、4/16に全国拡大。
5/14に、東京をはじめ8都道府県を除き解除、5/21に全国で解除。
・第1,2回は、商工会/商工会議所の専門家による計画書の内容確認、アドバイスが必須だった
第1,2回は、商工会/商工会議所の確認が必須で、かつ、緊急事態宣言中ということもあり、専門家相談実施が円滑にできず、確認書の取得が間にあわずに締切までに申請できないケースもあったと考えられます。
第3回以降は商工会/商工会議所の確認が不要となったため、このような混乱はなくなりましたが、逆に、専門家の目を通さずに申請するため、提出された事業計画(申請書)の質が低下した可能性があると考えられます。
・第3、4回の応募者は、第1、2回の高い採択率を知っての応募で、第4回締切応募者は、第3回締切採択発表前の為、低い採択率は知らない状態での応募でした。
第2回の応募締切は、第1回締切分の採択後でしたが、高い採択率を知りそれから準備をしても、第2回の応募は間に合わない(専門家相談必須)タイミングでした。従って、第1、2回は、参考となる採択率がわからない状態での応募に対して、第3,4回応募者は、採択率が高いと安心(油断)して応募して方が多いと思います。
以上の結果、第3回、第4回については、「採択率が高いと評判、人気化」、「応募者が激増」、「専門家相談・確認無しでの応募」となり、その結果、採択率が下がったと考えられます。
尚、当初、2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)は、第4回締切を最終回としていましたが、2020年10月になって、第5回締切(12/10)が追加されました。このことから、採択率が下がったのは、予算が足りなくなったのではなく、予算はあったものの合格水準に達しない応募が多かったことを示していると考えられます。
以上より、2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の第3回締切以降の大幅な採択率の低下には、このような納得できる原因があると考えています。この点も踏まえて、2021年の新特別枠(低感染リスクビジネス枠)に採択率がどのようになるのかを考えてみましょう。
●2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)採択率予想
・予算の比較
小規模事業者持続化補助金を含む中小企業生産性革命推進事業の(新)特別枠分の予算は、2021年は2300億円、2020年は、再開枠を含めて1700億円です。
再開枠の存在の影響および、3補助金(ものづくり、IT導入、小規模事業者持続化)への配分がわかりませんので、小規模事業者持続化補助金の(新)特別枠分の予算額は全くわかりませんが、上の予算額から、2021年は2020年より増えると考えて良いでしょう。2021年は2020年に対して、1.5倍~1.8倍程度の予算規模と想定します。
・採択者数
2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)は、第4回締切までの合計採択者数は、53,421件です。第5回の採択者数は第4回とほぼ同じとすると、1~5回の合計は約69,000件です。
2021年小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の予算が、2020年小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の1.5倍~1.8倍とすると、合計採択者数は10万件~12万5千件程度となります。(これだけの件数を、現在でも大変な状況の事務局が対応できるのかとやや心配になりますが・・・。)公募締切回数を5回とすると、採択件数は1回平均 2万件~2万5千件となります。
・応募件数
2020年公募実施の小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)は、第4回締切までの合計応募件数は、120,955件です。第5回の応募件数が第4回とほぼ同じとすると、1~5回の合計は約173,300件です。
1回平均は、約35,000件ですが、上の表を見ていただいてもわかる通り、第1回の約6,700件から回を追うごとに増え、第4回は約53,000件となっていますので、平均値にあまり意味はないようにも思います。
2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)は、2020年実施のコロナ特別対応型と類似していることから、2020年に応募して採択を得られなかった事業者の多くが、初回から再応募することが考えられます。例えば、2020年実施コロナ特別対応型第4回締切で採択を得られなかった件数が約3万7千件ありますので、このうちの3分の2が応募し、更に新規に1万件の応募があるとすると、約3万5千件の応募となります。
・想定される採択率
以上より、算出される採択率は、57%~71%となります。2020年の第3回、第4回の、30%程度と比較すると、2倍程度との結果になりました。
多くの、推測、仮説の上に立って算出していますので、的中するかどうかはわかりませんが・・・。
応募者の約2/3の方が採択されるのであれば、要件に合致する事業計画を策定の上で、審査項目および、各欄に記載すべき内容を簡潔かつ、明確に記載することにより、申請する方の採択の確率をかなり高める(即ち、合格圏に押し上げる)ことは可能なのではないでしょうか。
補助金申請支援を業として行っている事業者のサイトの中には、「早期に申請すれば必ず通る」ような記載も見受けられますが、2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)は、2020年実施のコロナ特別対応型から継続して実施されることから、そのような可能性は低いと考えています。
補助金の採択の近道は、「要件に合致した事業計画」と「審査項目にそった申請書作成」です。これを行うことで、支援者任せではなく、事業者ご自身が作成した申請書で採択を得ることも可能となります。
2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスクビジネス枠)は、3月公募開始の予定ですので、早めの準備で、採択確率をアップしましょう。
●2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)公募準備について
公募要領や申請書式が公開されていない段階での準備は、先ずは、類似の補助金の申請書式を用いで、実際に提出するつもりになって作成してみることで可能です。
その後、公募要領や申請書式が公開された段階で、内容を調整することで、短期間で作成が可能です。
筆者自身このような方法で、多くの補助金の早期申請、採択に成功してきました。またご支援の際にもその方法で支援することで、多くの支援先が採択を得ています。
2021年実施小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)については、2020年実施のコロナ特別対応型の申請書式で作成することで、公募開始から短時間で2021年実施の書式に対応可能と考えています。
今から取り組むことで「要件に合致した事業計画」と「審査項目にそった申請書作成」により、採択確率を高めてください。
以下の記事も参考にされてください。
「小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)、記載例と記載分量について」(その1)
「小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)、記載例と記載分量について」(その2)
〇オンラインセミナーもご活用ください。
2021年実施小規模事業者持続化補助金「申請書の書き方」オンラインセミナー
掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。また、筆者の個人的な見解が多く含まれています。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明
無料動画セミナー:小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)概説/記載例概説
「小規模事業者持続化補助金」についてのニュースは、こちらでご紹介しています。
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