小規模事業者持続化補助金(一般型)記載例について

 

2021年1月下旬、小規模事業者持続化補助金(一般型)の経営計画書、および補助事業計画書の記載例が追加されました。

これまで、小規模事業者持続化補助金(一般型)の経営計画書、および補助事業計画書の記載例として、過去数年間、国道沿いの海鮮居酒屋の例だけが掲載されていました。

この例は、高齢化/過疎化により居酒屋の常連客が激減、周囲の単価の安いチェーン店等に客を取られた店が、新たな商品開発とデリバリーによる商圏拡大に活路を見い出すという事例です。こちらも文章部分は、2ページ半程度にまとめられています。

これに対して、2021年1月下旬に、小規模事業者持続化補助金(一般型)の経営計画書、および補助事業計画書の記載例として、以下の業種のものが追加されました。

・カフェ
・割烹料理店
・宿泊業
・旅行業
・カラオケ店

多くの業種例が公表されたことで、応募を検討されている方にとっては参考になりそうです。

この記載例には、小規模事業者持続化補助金(一般型)の経営計画書と補助事業計画書に書くべきポイントが記載されています。

この部分をピックアップすると以下の通りです。

○小規模事業者持続化補助金(一般型)申請書に記載すべきポイント
【経営計画書】

1.企業概要
どのような製品やサービスを提供しているかお書きください。また、売上げが多い商品・サービス、利益を上げている商品・サービスをそれぞれ具体的にお書きください。

2.顧客ニーズと市場の動向
お客様(消費者、取引先双方)が求めている商品・サービスがどのようなものか、また自社の提供する商品・サービスについて、競合他社の存在や対象とする顧客層の増減など売上げを左右する環境について、過去から将来の見通しを含めお書きください。

3.自社や自社の提供する商品・サービスの強み
自社や自社の商品・サービスが他社に比べて優れていると思われる点、顧客に評価されている点をお書きください。

4.経営方針・目標と今後のプラン
1.~3.でお書きになったことを踏まえ、今後どのような経営方針や目標をお持ちか、可能な限り具体的にお書きください。また、方針・目標を達成するためにどのようなプラン(時期と具体的行動)をお持ちかお書きください。

【補助事業計画書】

1.補助事業で行う事業名
本事業のタイトルを簡略にお書きください。

2.販路開拓等(生産性向上)の取組内容【必須記入】(販路開拓等の取組内容を記入すること)
本事業で取り組む販路開拓などの取り組みについて、何をどのような方法で行うか、具体的にお書きください。その際、これまでの自社・他社の取り組みと異なる点、創意工夫した点、特徴などを具体的にお書きください。

3. 業務効率化(生産性向上)の取組内容【任意記入】
公募要領P.35に該当する取組を行う場合は本欄に記入します。特になければ本欄は空欄のままご提出ください。

4.補助事業の効果【必須記入】
販路開拓等の取組や業務効率化の取組を通じて、どのように生産性向上につながるのかを必ず説明してください。
本事業を行うことにより、売上げ、取引などにどのような効果があるか可能な限り具体的にお書きください。その際、事業を行うことがその効果に結びつく理由も併せてお書きください。

○申請書の記載量(ページ数)について

2020年以降実施の小規模事業者持続化補助金(一般型)では、経営計画書と補助事業計画書の両方を合わせて最大8ページ以内とされています。

記載例はその全ての事例が、実質的に2~3ページ程度となっています。

例えば小論文の試験で、○○ページ以内で記載しなさいとの指示があれば一般的には80~90%の分量を求められていると考えるのが普通です。そのため、筆者に「この事例程度の分量で大丈夫なのでしょうか?」とのご質問をよくいただきます。

この質問には、以下の通り考えお答えしています。

補助金の審査は、記載された分量で評価される訳ではありません。記載内容が公募要領の「審査項目」を満たし、高い評価が得られるものであれば問題はありません。

但し、事業内容によっては、少ない文章量で事業内容や強み等を表現することが難しい場合があります。また、図表を加えて説明した方が、理解が促進することも多いことも事実です。筆者のこれまでの経験では、小規模事業者持続化補助金の申請書(経営計画、補助計画)を2、3ページで簡潔にまとめることはなかなか難しいと考ています。

そこで、小規模事業者持続化補助金の記載量について意見を求められた時には、「8ページを有効に使い、審査員に十分にアピールする申請書を作成しましょう。」とお話をしています。もちろん、ダラダラと書けば良いというものではありません。冗長な文章を書くよりは、ページ数が少なくとも簡潔にまとめられている方が良いことは間違いありません。

○掲載されている記載例の位置付け(全くの筆者の私見です)

以下、この記載例についての筆者コメントです。あくまでも私見ですので、参考程度としていただき、事例の評価については、皆様、それぞれでご判断ください。

・応募書類としての必要要件を満たすものの例示として公表されている。

・商工会工会、商工会議所の相談の際には、この程度の計画書を持参して欲しいという目安を示したもの。

・記載例はいずれも消費者向けのサービス提供であり、分かり易いビジネスモデルである。

・採択率が高い(例えば7、80%以上など)場合は、このレベルの記載でも十分に採択の可能性あり。但し、採択率が低い場合は、採択の確率を高めるためには更なるブラッシュアップをした方が良いのではないか。

○記載時に注意すべき点

記載例は、一般消費者向けのビジネスの為にビジネスモデルが分かりやすいものですが、一方、多くの事業では、小規模事業者とはいえビジネスモデルが複雑な事業も多いのも現実ではないでしょうか。

その為、自社のビジネスモデルについて詳しい説明をしないと、事業の構造が伝わらないことも多いように思います。記載が必要なのは、例えば以下のような内容です。

・お客様は誰か、売上利益の源泉は何か?

・同業他社と比べた特徴は?

・集客がすぐに売上につながるのか? そうで無い場合は、集客した上で何をすることもが売上につながるのか?

・なぜ顧客は自社や自社のサービスを選ぶのか?

・売上、販路拡大のために、具体的に何をどのように実行するのか。

・今回の計画により、どのように早期の売上達成、利益確保につながるのか。

そして、販路開拓の取組について、その対策内容と効果についても、事業内容を知らない人には、なかなか理解が難しいことが多いのも事実です。

これらの点を文章として説明していくと、どうしてもある程度の文章量が必要となりますし、読み手の理解を促進するために図表を挿入したり、読み易くするために、段落や項番を付与したりすることも必要となり、ある程度のページ数が必要となることが多いのではないでしょうか。

最後になりますが、小規模事業者持続化補助金の審査に関しては次のように言われています。また、私の経験からも同様に考えています。

「審査員は、申請者の事業について必ずしも精通しているとは限りません。」

「事業計画を審査する専門家ではあるものの、当該業務について素人の場合もあります。」

「専門用語、業界用語等は使わずに、中高生でもわかるように、わかり易く書きましょう。」

「審査は短期間、短時間で行われるようですので、簡潔に、読みやすく、わかり易い記述であることが必要です。」

せっかく応募するのであれば、中途半端に妥協をせずに、記述と推敲を繰り返し申請書をブラッシュアップし、採択の確率を高めるように努力をしたいものです。

〇オンラインセミナーもご活用ください。

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掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。また、筆者の個人的な見解が多く含まれています。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明

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