「事業再構築補助金」に厳しい意見、報道相次ぐ（令和５年度秋の行政レビュー２日目）

2023年11月11日、12日の２日間実施された政府の「秋の行政レビュー」を踏まえ、複数年度　

にわたる支出を可能にする国の基金について、河野太郎行政改革担当相は会合後の記者会見で、新たなルールを作成した上で全てを対象に見直しを進める考えを表明しました。

特に「事業再構築補助金」については、廃止を含めた抜本的な見直しや新規採択の停止を求める意見が出たとの報道が相次いでいます。

また、政府のWEB発表でも、厳しい内容の「取りまとめ」が公表されています。

有識者からは新型コロナの影響を受けた中堅・中小企業の設備投資などのための基金について「コロナ対策としての役割は終わりつつある」として廃止や国庫への返納を求める意見が出されました。

批判が殺到したのは、新型コロナウイルスの感染拡大対策として設けられた中小企業向けの「事業再構築促進基金」だ。・・・・・本来の目的からずれた事業も補助対象になっていることが問題視され、補助金停止を求める声が相次いだ。

12日は、新型コロナウイルス対策で創設された中小企業向けの「事業再構築補助金」がテーマとなった。事業の効果などを疑問視する意見が有識者から相次ぎ・・・・・

「中小企業等事業再構築促進基金」に対しては、「コロナ対策としての役割は終わりつつある」として継続は不要とする意見が取りまとめられた。

コロナ後に対応した中小企業の事業再構築を支援する経済産業省の基金を検証。参加した有識者から、廃止を含めて抜本的に見直すよう求める意見が出た。　

「事業再構築補助金」の新規採択をいったん停止するべきだと有識者が提言した。

【「取りまとめ」の内容】
従前の枠組みについて、

○ 新型コロナ対策としての役割は終わりつつあるので、基金のうちそれにかかる部分は廃止し、もしくは抜本的に事業を構築し直すべき。

○ 申請書・財務諸表の精査、四半期ごとのモニタリングといった仕組みが確立されない限り新規採択は一旦停止すべきであり、それができない場合は基金として継続する必要は認められないため、国庫返納して通常の予算措置とすべき。

○ 審査の厳格化とデータの収集の厳格化については、引き続き十分な検討が必要である。

11月11日に閣議決定された令和５年度補正予算案に関する経済産業省から発表された資料には、中小企業等事業再構築促進基金からの拠出を前提とした「中小企業省力化投資補助金」および「事業再構築補助金」に関する記載があります。

今回の行政レビューおよびそれを踏まえた河野大臣の記者会見により、「事業再構築補助金」がいつから、どのように見直されるのか、その結果が大いに注目されます。

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オフィスマツナガ行政書士事務所（認定経営革新等支援機関）所長・行政書士　松永敏明

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