「小規模事業者持続化補助金」分析と考慮点(過去の採択率と今年の採択想定者数 他)

2019/05/07 記事のタイトルを、内容に合わせて変更しました。)

平成30年度補正(平成31年/2019年実施)「小規模事業者持続化補助金」は、商工会議所管轄地域についての募集が開始しました。募集開始が昨年より大幅に遅くなった分、公募期間は昨年より約1ヶ月短縮されています。商工会管轄地域については、5月中旬以降に「小規模事業者持続化補助金」の募集開始が想定されますが、こちらも公募期間は短期間となることが想定されます。

応募される事業者様は、短い期間の中でも、経営計画、補助事業計画をブラッシュアップして、採択の確率を高めることをお奨めします。

ブラッシュアップ対策を立てるにあたり、小規模事業者持続化補助金の過去の採択率等、各種情報を分析してみましょう。

【「小規模事業者持続化補助金」過去の採択率等】
この情報は、過去の記事の情報を基に、一部情報を追記しています。

小規模事業者持続化補助金 過去の採択率について

過去3年の小規模事業者持続化補助金の応募者数、採択者数、および採択率をまとめると以下の通りです。(複数募集、複数締切があった年については年合計の数字です。また、災害対策等として特別に実施されたものは除外しています。非公開値の応募件数は、他のサイトで公表されたものです。信頼度は不明です。)

小規模事業者持続化補助金の応募者数、採択者数、および採択率【「小規模事業者持続化補助金」採択に影響を及ぼす要因についての分析】
●平成30年実施分小規模事業者持続化補助金の商工会議所管轄と商工会管轄の内訳
・商工会議所管轄 約8,800件
・商工会管轄 約9,300件
東京23区や大阪市、横浜市、名古屋市など、多くの都市部を抱える商工会議所地域と、他の地域を管轄する商工会地域の人口から考えると、地域の事業者数と採択者の数は比例傾向には無い様に思われます。

●昨年と今年の相違点
・商工会議所は事務委託先の公募資料で「想定採択者数」を公表していますが、昨年8,000件に対して、今年は10,000件と、採択想定採択者数は25%増加しています。
・昨年度、6万件を超える採択があったIT導入補助金では、「ホームページ作成」で多くの件数が採択されたと言われています。今年のIT導入補助金ではホームページ作成の大半が対象外となり、IT導入補助金のWEBサイト等では「ホームページ作成は小規模事業者持続化補助金で対応」等と記載・説明されていることから、小規模事業者持続化補助金が注目を集めています。
・小規模事業者の定義のうち、業種の分類基準が変更となりました。これまで「サービス業」に分類されていたため対象外とされていた事業者(常時使用する従業員が、6人以上20人以下)の一部について、業種が「製造業その他」となることがある為、補助対象事業者となります。昨年に比べて多くの事業者が当補助金の対象範囲となるようになりました。

●重点的な支援をする事業者
この補助金は以下の事業者を重点的に支援する(審査時に政策的観点から加点)とされています。
・代表者が満60歳以上の事業者で、後継者候補が中心になって補助事業を実施する事業者
・生産性の向上(経営力強化)の取組を行っている事業者
・ITを活用した資金調達等の取組を行っている事業者
・過疎地域という極めて厳しい経営環境の中で販路開拓に取り組む事業者
(各事業者に該当する為の具体的な要件については公募要領をご確認ください。)

●小規模事業者の重点支援
・常時使用する従業員数が5人以下の事業者が全体の5割以上採択されるよう、優先的に採択されます。

●申請書式など
過去6年間、経営計画書および補助事業計画書の記載項目に大きな変更はありません。この為、昨年12月の閣議決定の時点から公募開始までの間に申請を書き上げ、ブラッシュアップを重ねてきている事業者様が多数存在すると考えられます。

【「小規模事業者持続化補助金」分析を踏まえて(補助金ナビ筆者私見)】
今年は応募が増える要因が多く、採択者数の増加率を応募者の増加率が上回ることが予想されます。従って、平成30年補正(2019年実施)小規模事業者持続化補助金の採択率は、過去最高であった昨年より低下する可能が高いと考えます。(2019/8/1追記 平成30年度補正商工会議所地区分および商工会地区1次締切分の採択結果は、昨年より高い採択率となりました。応募者数は増加せずに、予算の増加が寄与した結果と考えられます。)また、過去の採択率は、全国平均であり、重点的な支援の対象者もそうではない方も含めて全てを平均化したものです

今年は、重点支援の対象にならない事業者様にとっては、かなり厳しい審査になるのではないでしょうか。(2019/8/1追記 上述の通り、高い採択率となりました。)
そこで、公募要領の審査の観点を熟読し、審査の観点を的確に捕らえた申請書の作成、ブラッシュアップを心がけましょう。

(データは補助金ナビで収集、分析したものです。可能な限り正確な情報収集・発信を心がけていますが、運営会社および筆者は情報の正確性を保証するものではありません。また、分析等については、あくまでの筆者の個人的見解です。当見解を踏まえた結果について、筆者および補助金ナビ運営会社は責任を負いかねます。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。)

「小規模事業者持続化補助金」のニュースはこちらをご覧ください。

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