2022年実施「事業再構築補助金」の変更点(No.1)
2021年12月20日に、令和3年度補正予算が成立しました。
その中に、「中小企業等事業再構築促進事業」(予算額 6,123億円)が含まれています。
ここでは、2022年に実施される「事業再構築補助金」は、2021年の「事業再構築補助金」からどのように変わるのか、見てゆきます。
尚、「事業再構築補助金」の次回(第5回)公募は、2022年1月中開始予定ですが、こちらは令和2年度第3次補正予算による公募の最終回となります。
この第5回公募についても、第4回公募から変更される点もいくつかありますが、予算が切り替わる第6回公募(2022年4月以降開始と想定)から、大きな変更があります。
第6回公募以降の変更により、これまで「事業再構築補助金」の申請をあきらめていた方も申請可能となる可能性がありますので、大いに注目されます。
第6回公募(2022年4月以降開始と想定)以降の主な変更点は以下の通りです。
1.売上高10%減少要件の緩和
2.回復・再生応援枠の新設
3.グリーン成長枠の新設
4.通常枠の補助上限額の見直し
この記事では、このうち「1.売上高10%減少要件の緩和」、と「2.回復・再生応援枠の新設」の2点について、解説します。
1.売上高10%減少要件の緩和
「売上高10%減少要件」については、第3回公募から、若干緩和され、「2020年4月以降の連続する6か月間」も対象とされたものの、
「2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高がコロナ以前と比較して5%以上減少していること」
という要件が付いていました。
これを、第6回公募以降からは、
「2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前と比較して10%以上減少していること」
のみを要件とするよう要件を緩和されます。
これまで、「2020年4月以降の連続する6か月間」の売上減少では要件を満たしているものの、「2020年10月以降の連続する6か月間」の売上減少要件を満たさなかった事業者が、第6回公募以降からは事業再構築補助金の対象になります。
2.回復・再生応援枠の新設
これまで、補助上限額は小さいものの、補助率、採択率が高く人気を集めていた「緊急事態宣言特別枠」が廃止され、それに代わり、ほぼ同じスキームで、要件を緩和した「回復・再生応援枠」が新設されます。
○回復・再生応援枠の要件
通常枠の申請要件に加え、以下の①又は②のどちらかを満たすこと
①2021年10月以降のいずれかの月の売上高が対2020年又は2019年同月比で30%以上減少していること
②再生支援協議会スキーム等に則り再生計画を策定していること(詳細な要件は検討中)
○補助上限額・補助率
○事業再構築要件の緩和
「事業再構築指針の要件について、主要な設備の変更を求めないこととするといった緩和を行う。」とされています。
事業再構築の類型の、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換のいずれの類型においても、「製品等の新規性要件」や「製造方法等の新規性要件」があり、この中に、「製造等に用いる主要な設備を変更すること」が要件となっています。
回復・再生応援枠については、この要件を緩和するとのことですので、既存の設備を活用、拡充することが認められることとなり、これは事業者様にとっては使いやすい補助金になります。
事業再構築補助金は、ものづくり補助金に求められる「革新性」が要件とはなりませんので、第6回公募以降で実施予定の回復・再生応援枠は要件を満たす事業者にとって、使い勝手が良い補助金として期待できそうです。
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掲載したニュース等の内容は正確を期すように努めておりますが、その内容について正確性を保証するものではありません。また、筆者の個人的な見解が多く含まれています。補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。
筆者:オフィスマツナガ行政書士事務所 所長 認定経営革新等支援機関 松永敏明
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