補助金ナビ:補助金入門WEB講座 第4回 主な補助金、変わる部分と続く部分を考えよう

①申請方法の変化(電子申請)
経済産業省/中小企業企業庁DX(デジタルトランスフォーメーション)による、行政手続き簡素化の一環として、補助金の電子申請化が進められてきました。2020年は本格運用の年度です。

「補助金申請システムの開発状況・自治体への展開に向けた取組みについて」(令和元年8月22日、内閣府/総務省/経済産業省 資料)によれば、「当初の予定通り、19年度中の中小企業向け3補助金(ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金)での利用開始、20年4月からの各省庁・有志自治体での利用開始を目指す。」と書かれています。

補助金申請システムスケジュール


また、中小企業庁が作成した、中小企業支援サイト「ミラサポ」の改訂版「ミラサポplus」の概要の資料には、「ミラサポplus」の機能として、事業者からの各種申請(経営力向上計画、ものづくり補助金、IT導入補助金など)を統合することで利便性を向上するとされています。

補助金システムのコンセプトとして、あるべき姿(5本の柱)が記載されています。

・執行に至るスピード感の向上
・初心者でも申請しやすい環境
・審査高度化・ミスや不正の抑制
・データの利活用
・執行事務コストの削減

〇補助金電子申請の経緯
 ・ものづくり補助金
H26年度補正(2015年実施)より、電子申請が可能となったが、利用率は低かった。
H30年度補正2次公募(2019年実施)からは、原則として全ての申請が電子化となった。

 ・事業承継補助金
実施2年目のH30年度補正(2019年)から全て電子化された。

 ・IT導入補助金
実施1年目のH28年補正公募(2017年実施)から電子申請と紙提出の併設で開始
H29年度補正(2018年実施)から、完全電子申請化

 ・小規模事業者持続化補助金補助金
H30年度補正(2019年実施)までは紙申請
2020年実施分からは電子申請化の見込み

〇電子申請化に伴う留意点
・一度申請した申請書等については、内容の修正/添付資料の追加申請ができません。取消してやり直すこともできないため、事前に注意が必要です。
・当面は、審査にかかわる主要な部分でPDF提出が認められている部分(例えば、ものづくり補助金の「事業の具体的な内容」の「その1」、「その2」など)は、審査時の読み易さ、アピールを考慮すると、PDF提出が無難かもしれません。
・軽微なミスについては、WEB申請時に自動チェックされることもある。従来、事務局によっては紙ベースでの提出時に、軽微なミスを事務局でチェックしていたこともあったが、これは無くなると思われる。

    従って、従来にも増して、提出前のチェックは厳重に。

②申請方法の変化(申請方法の簡略化)

従来と異なる手順により交付決定がなされる補助金も出てきています。例えば、IT導入補助金について考えてみましょう。

当補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウエア、サービス等)を導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするものです。

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IT導入補助金申請の流れ

審査が2段階に分かれたことで、補助金申請事業者の申請が簡略化、交付決定までの期間が短縮化しました。

中小企業庁では、補助金申請時の事業者負担軽減を検討しています。

③政策的加点要素と留意点

〇H30年度補正ものづくり補助金の加点要件は以下の通りでした。
平成30年12月21日以降申請した先端設備導入計画認定、経営革新計画の承認、経営力向上計画の認定、地域経済牽引計画の承認(いずれも申請中を含む)
(連携)事業継続力強化計画の認定(申請中を含む)・・・・2次公募のみ
・総賃金の1%賃上げの取組み
・小規模型に応募する小規模事業者
応募開始前一定期間に、購入型クラウドファンディング等で一定規模以上の集金
赤字は前年度の同補助金からの変更点です。

〇H30年度補正ものづくり補助金の補助率アップ要件は以下の通りでした。
平成30年12月22日以降に申請した先端設備導入計画の認定企業(申請中を含む)
・平成30年12月22日以降に申請した経営革新計画の承認(申請中を含む)
赤字は前年度の同補助金からの変更点です。

〇H30年度補正小規模事業者持続化補助金の加点要件は以下の通りでした。
代表者が60歳以上の事業者であって、かつ、後継者候補が中心になって補助事業を実施する場合
・経営力向上計画の認定を受けている事業者(申請中は対象外)
購入型クラウドファンディングで一定規模以上の支援金額を集めた事業者
赤字は前年度の同補助金からの変更点です。

〇補助金の加点要件、補助率アップ要件に関する留意点
・加点要件、補助率アップ要件は補助金実施年により変化する。
・これらの要件の中には、認定等の取得に時間がかかるものが多い為、事前の準備が必要である。前年の要件は翌年も継続されることが多いため、事前の準備は可能である。
・但し、申請日に制限があることが多い為、申請自体は閣議決定後に行った方が良い。

④補助金の見直しをめぐる議論
2019年10月23日開催の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)歳出改革部会にて「中小企業向け補助金」および「ものづくり補助金」についての財務省からの意見が提示されています。以下、資料からの抜粋です。

〇「中小企業向け補助金」について
中小企業向け補助金については、独立した中小企業の自主的な努力が助長されることを旨とする中小企業基本法の理念を踏まえ、公的な支援が過剰なものとならないようすることが必要。

〇「ものづくり補助金について」
ものづくり補助金の実績をみると、「5年以内に事業化を達成した事業が半数を超える」というKPIは達成されているが、
・事業化の定義が、「開発された製品が1つ以上販売されていること」であり、KPIは妥当ではないのではないか。
・採択された事業者の大半が、野心的な経営革新計画の策定等により、通常(1/2)よりも高い補助率(2/3)が適用されていることを踏まえても、こうしたKPIは妥当とは言えないのではないか。
・ものづくり補助金をはじめとする中小企業向け補助金は、働き方改革など中小企業を巡る環境の変化を踏まえつつ、設備投資やIT投資などの成長投資を通じた生産性向上に意欲的な中小企業への支援に重点化するとともに、適切なKPIの設定やフォローアップの着実な実施が必要ではないか。

今後、ものづくり補助金を始めとした、中小企業向け補助金予算額、補助対象や審査基準等の見直しの可能性もあるものと考えられます。予算案閣議決定に向けて、これらの議論の影響が注目されます。

筆者:認定支援機関 オフィスマツナガ行政書士事務所 所長・行政書士 松永敏明
本講座の内容は正確を期すように努めておりますが、内容について正確性を保証するものではありません。
補助金の応募等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。

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