2020年実施予定 ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金のポイントと留意点

 
この記事では、2019年12月13日に経済産業省が公表した情報を基に、2020年実施予定のものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金のポイントと留意点を解説いたします。

2019年12月13日に経済産業省が公表した「ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金の概要」については、こちらのページでご覧ください。

尚、当記事内容には筆者の個人的な見解も含まれており、また、内容について正確性を保証するものではありません。補助金の応募検討等に際しては、公募要領等の公式情報をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。

●予算規模
3年間の「中小企業生産性革命推進事業」として、3,600億円の予算を予定しています。また、この中には、「先進事例や支援策の周知・広報」や「相談対応・ハンズオン支援」等を含むとされています。

前年度の補正予算では、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金の3つの補助金を「中小企業生産性革命推進事業」として1,100億円を計上していましたので、年平均では、同額あるいは多少の増加と考えて良いのではないでしょうか。

●各補助金の対象事業
各補助金の対象事業については、前年度と大きな相違は無いように思われます。
但し、対象事業者の要件について、賃上げ、社会保険の被用者範囲の拡大等について触れられています。(後述)

●補助率、補助上限額
・ものづくり補助金
(補助額:100万円~1,000万円、補助率:中小1/2 小規模2/3)
・小規模事業者持続化補助金
(補助額:~50万円、補助率:2/3)
・IT導入補助金
(補助額:30~450万円、補助率:1/2)

ものづくり補助金について、過去2年間採用されてきた、補助率アップの要件について言及がありません。小規模事業者以外は、一律2分の1となる可能性があります。

●賃上げ、被用者保険の任意適用への取り組み
※事業計画期間において、「給与支給総額が平均年率1.5%以上向上」、「事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上」を満たすこと等を申請要件とします。(持続化補助金及びIT導入補助金の一部事業者は加点要件)

要件が未達の事業者に対して、天災など事業者の責めに負わない理由がある場合や、付加価値額が向上せず賃上げが困難な場合を除き、補助金額の一部返還を求めます。

従って、ものづくり補助金については、賃上げ計画は応募時の必須要件となり、かつ、実績も求められることになりそうです。

小規模事業者持続化補助金は、賃上げが必須となるケースがあるのかどうかはこの記載では不明ですが、少なくとも賃上げが加点要件になることは間違いなさそうです。

IT導入補助金は、賃上げが必須の場合と、加点要件となる場合に分かれそうです。事業者の属性や補助金申請金額などによって切り分けが行われるものと思われます。

●成果目標
ものづくり補助金では、これまで数値目標を3~5年計画で設定して成果を出すようになっていましたが、IT導入補助金も含め、3年間の目標設定とより短期で成果を求められる内容になっています。

また、ものづくり補助金の数値目標に給与支給総額の向上目標も掲げられており、この点が、前述の賃上げへ取り組みを必須要件とすることにつながっているようです。

●過去に受給した事業者に対する減点措置
「過去3年以内に同じ補助金を受給している事業者には、審査にて減点措置を講じることで、初めて補助金申請される方でも採択されやすくなります。」とあります。

過去の受給者への減点は、これまで小規模事業者持続化補助金では取られていましたが、ものづくり補助金やIT導入補助金でも実施されるようです。

●公募期間/頻度の増加
「通年で公募し、複数の締切を設けて審査・採択を行うことで、予見可能性を高め、十分な準備の上、都合の良いタイミングで申請・事業実施することが可能となります。」とあります。

これまで単年度の補正予算としての実施であったため、募集時期が年度初めに集中し、また、2次公募においては補助事業期間が短期間となっていました。この点が改善されることを期待したいものです。

筆者:認定支援機関 オフィスマツナガ行政書士事務所 所長・行政書士 松永敏明
記事の内容は正確を期すように努めておりますが、記事内容には筆者の個人的な見解も含まれています。
内容について正確性を保証するものではありません。
補助金の応募検討等に際しては、公募要領をご確認の上で、ご自身のご判断にてお願い致します。

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ものづくり補助金の採択の可能性を高める為には、申請書に記載する事業計画の内容が非常に大切です。

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